リスティング広告の始め方を初心者向けにわかりやすく解説
更新日:2025年01月17日
Web広告で成果を出すには欠かせないリスティング広告。
定番のWeb広告媒体として定着しているリスティング広告は多くの企業が取り入れる集客施策です。本記事ではやり方が分からないけど興味がある方向けにリスティング広告の始め方をご紹介します。
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リスティング広告の始め方|配信前のプランニング編
リスティング広告を始める前に取り組みたいのがプランニング。やり方だけ調べて手探りでリスティング広告を配信すると広告費を無駄にしてしまいます。
まずはこれからご紹介する項目をチェックしていきましょう。
リスティング広告配信の目的とゴールを明確化する
リスティング広告を始める際に重要となるのが配信の目的とゴールの設定です。
「1件8,000円以内で資料請求を増やしたい」「ECサイトの購入件数を10件増やしたい」など、リスティング広告配信の目的とゴールを設定しておけば、リスティング広告の配信結果を適切に評価できますよね。
配信前に必ず具体的な数値目標を設定し、予算設定やKPIの判断基準を明確にしましょう。
広告代理店へ相談すれば過去の配信実績から算出したシミュレーション数値ももらえるので、もし自社で数値目標を立てるのが難しい場合は相談してみるのもおすすめです。
広告の費用形態や相場を把握する
リスティング広告はクリック課金型の費用形態です。
広告が表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーが広告をクリックした時のみ課金される仕組みですね。
業界や競合状況によって1クリックあたりの費用(CPC)は大きく異なり、数十円の場合もあれば数千円となる場合もあります。金融や不動産など競合性が高く市場規模が大きい業界はクリック単価が高騰する傾向にあるため、事前に業界の相場を確認しておきましょう。
リスティング広告の配信事例を情報収集する
効果的なリスティング広告の始め方として、事前に配信事例を収集することも大切です。
社内事例やWebで公開されている事例、広告代理店から得られる配信事例など、実際にどのような商材や業界でどんな配信結果になったのかが分かれば自社の計画も立てやすくなりますよね。
また、同業他社の広告表示をチェックすることで現在どのような広告を配信しているかも把握できます。実際の広告を確認する際は以下のポイントに注目してみましょう。
- どのようなキーワードで広告が表示されているか
- 広告文でどのような特徴やメリットを訴求しているか
- リンク先のランディングページはどのような構成になっているか
但し、表示されている広告が必ずしも成功している広告とは限りません。あくまでも参考程度に留めておきましょう。
配信する媒体を選定する
リスティング広告の主要な配信媒体には、Google広告、Yahoo!広告、Microsoft広告(Bing広告)の3つがあります。それぞれに特徴があるため、ターゲットとする顧客層や予算によって適切に併用していきましょう。
媒体 |
特徴 |
Google広告 |
・リスティング広告シェアNo1 ・広告機能が充実 ・若年層から中高年層まで幅広いユーザー層 |
Yahoo!広告 |
・日本のユーザーに強い ・40代以上の利用が多い ・Yahoo!JAPANと提携先サイトへ配信可能 |
Microsoft広告 |
・PCユーザーへのリーチが強い ・ビジネスパーソンの利用が多い ・比較的競合が少なく単価が安い |
リスティング広告の始め方|Google広告の配信設定編
ここからは、リスティング広告を最も利用されているGoogle広告を例に配信の始め方を解説していきます。
始め方1.広告アカウントを作成する
初めにGoogle広告のアカウントを作成します。
基本的な企業情報や支払い情報を登録してアカウント作成していきましょう。Googleアカウントをお持ちの方はそのままGoogle広告への登録が可能です。
Google広告の支払い設定ではクレジットカードや銀行振込など複数の支払い方法から選択が可能。毎月の広告費が高額になることも想定されるため、請求サイクルや支払い条件をしっかりと確認しておきましょう。
始め方2.アカウント構造を設計する
効率的な運用のためにアカウント構造の設計は重要なポイント。「アカウント」>「キャンペーン」>「広告グループ」>「広告」・「キーワード」の4階層から成る構造を自社に最適な形で設計します。
現在は自動化が進んでいるためAIが学習して最適化しやすいよう設計することとキーワードの取捨選択は特に成果を左右する要素です。
キャンペーンをまとめる
アカウント構造を設計する際は必要以上にキャンペーンを分けないことをおすすめします。
以前はキャンペーンや広告グループを最小単位で設計して広告を細かく分け、リスティング広告運用者による手動調整によって広告パフォーマンスを高める運用が効果的でした。しかし、現在は機械学習による最適化の効果が高いため、機械学習を促進するためにキャンペーンや広告グループをなるべくまとめた方が成果につながりやすくなっています。
キーワードを選定する
キーワード選定はリスティング広告の成否を分ける重要なポイント。ここでは広告の目的に応じたメインキーワードからキーワード選定する方法をご紹介します。
最初にGoogleキーワードプランナーや類似のツールを活用して可能な限りの関連キーワードを収集します。次に、メインキーワードとサブキーワードに分類し、それぞれを掛け合わせることでキーワードを用意します。
▼店舗集客を目的としたキーワード例
メインキーワード:カフェ
サブキーワード:おすすめ、テイクアウト、ベビーカー対応
キーワード:カフェ おすすめ、カフェ テイクアウト、カフェ ベビーカー対応
上記例では来店が期待できるサブキーワードを掛け合わせましたが、「通販」のようにオンラインでの売上が期待できるサブキーワードもありますし、メインキーワードを「スペシャリティコーヒー」とすると店舗軸ではなく商品軸から派生させることもできますね。
キーワードを広く集めて、絞り込んだ後は、検索ボリュームもGoogleキーワードプランナーで確認しておきましょう。
次に、無駄なクリックを防ぐために集客につながらない除外キーワードも考えます。
例えば「カフェ アルバイト」は見込み顧客ではなく求職者のため、リスティング広告の目的とは合わない検索ユーザーですよね。このような不要キーワードには広告配信しないよう除外設定することで、効果的な広告配信が可能になります。
リスティング広告のキーワードを解説したこちらの記事では、更に詳しく掘り下げてご紹介しています。
始め方3.キャンペーンと広告グループを作成する
キャンペーンと広告グループの作成では、前述の通りできるだけまとめつつ、商品や配信地域など必要に応じて分けて作成していきます。
例えば、福岡と東京に拠点がある弊社がWeb広告の運用代行サービスを訴求する場合、以下のような構成が考えられますね。配信地域でキャンペーンを分け、集客先のLP別に広告グループを分ける例です。
キャンペーン |
広告グループ |
集客ページの設定例 |
福岡用キャンペーンA |
広告グループ1 |
福岡向けリスティング広告LP1 |
広告グループ2 |
福岡向けディスプレイ広告LP2 |
東京用キャンペーンB |
広告グループ1 |
東京向けリスティング広告LP3 |
広告グループ2 |
東京向けディスプレイ広告LP4 |
広告管理画面の項目を順番に設定しながら、キャンペーンと広告グループを作成しましょう。
始め方4.広告を設定する
実際の広告設定では検索結果に表示される広告文も重要になってきます。限られた文字数の中でいかに魅力的なメッセージを伝えられるかがポイントですね。
広告文の作成とポイント
効果的な広告文を作成するためには以下の要素を意識しましょう。
- 検索キーワードを広告文に含める
- 数字を使用するなど具体的な訴求を含める
- 差別化ポイントを明確に示す
- アクションを促す言葉を入れる
始め方5.Google広告の計測タグを設置する
広告効果を正確に測定するために必ず計測タグを設置しておきましょう。
Google広告の場合、現在は「Googleタグ」(旧:グローバルサイトタグ)をサイト内に設置することで、広告から集客した後のサイト内行動やコンバージョンを計測できます。
広告の成果を把握するためにも、Google広告の機械学習機能を活用するためにも、計測タグの設置は欠かせません。
始め方6.リスティング広告の配信を開始する
リスティング広告の始め方はおおまかには以上の流れで完了。広告審査が終わったら広告配信を開始します。
リスティング広告は開始直後から完璧な運用を目指す必要はありません。まずは小規模な予算から始めてデータを収集しながら徐々に最適化を図ってローコスト運用したり、短期間で成果を求める場合は配信後に短いスパンで調整しながら運用していきましょう。
>>リスティング広告の始め方からAIに相談する
成果を上げるリスティング広告運用のやり方
リスティング広告の配信を開始したら、次は成果を上げるための運用フェーズに入ります。ここでは効果的な運用のための具体的な改善のやり方をご紹介します。
クリック率(CTR)を高める広告文の改善方法
クリック率を向上させるための有効なやり方が広告文のテスト。A/Bテストを実施し、どの広告文が効果的かを検証します。例えば以下のような広告文改善でクリック率が改善する可能性があります。
- セールスポイントを数値化して具体的に表現する
- 期間限定やキャンペーンなどの緊急性を持たせる
- ユーザーの悩みや課題に直接応える文言を入れる
無駄なコストを抑える除外キーワード設定
効率的な運用のために、不要なクリックを防ぐ除外キーワードの設定は重要です。
リスティング広告の配信結果を見ながら、成果が出ないキーワードや明らかに不要なキーワードなど、配信前の設定時に分からなかった除外するべきキーワードを追加してコストを抑制します。
コンバージョン率(CVR)を上げるランディングページ最適化
広告からの流入を成果につなげるために、ランディングページ(LP)の最適化も重要です。特に以下の点に注意して継続的な改善を行っていきましょう。
改善ポイント |
具体的な施策 |
表示速度 |
画像の最適化、キャッシュの活用 |
コンテンツ |
広告文との一貫性、明確な価値提案 |
導線設計 |
CTAボタンの配置、フォームの簡略化 |
やり方は自社運用だけではない!内製化でよくある問題
リスティング広告の自社運用には様々な課題もあります。ここでは、多くの企業が直面する典型的な問題とその対処方法について解説していきましょう。
運用工数が多くて運用に時間を割けない
リスティング広告の運用には想像以上に多くの時間と労力が必要です。日々の入札管理、広告文の改善、レポート作成など、実に様々な業務が発生しますよね。
特に以下のような作業は継続的な対応が必要になってきます。
- キーワードの入札単価調整
- 検索クエリレポートの確認と除外キーワードの追加
- 広告文のA/Bテストと効果検証
- 予算消化状況の確認と調整
リスティング広告の専門スキル不足で広告費が無駄になる
専門的な知識やスキルが不足していると効率の悪い運用になってしまいがち。
例えば、適切なマッチタイプの使い分けができていなかったり、効果的な入札戦略が立てられなかったりすることで、予算を無駄に消化してしまう事例が多く見られます。
基本的な設定方法を理解すれば始め方としては間違えていないものの、専門的なノウハウ不足が原因で思うような成果が出ないということも。結果として、広告費が無駄になってしまう可能性もあります。
成果が出ない時の打ち手を考えられない
リスティング広告運用で難しいのが成果が出ない時の対応です。
様々なデータを分析し、問題点を特定した上で、適切な改善施策を実施する必要があります。しかし、自社での経験値やノウハウが少ないと、どこに問題があるのかすら把握できないことも。
改善の打ち手を考えられないと広告の成果が出ないまま失敗に終わってしまいます。
リスティング広告を広告代理店へ依頼するメリットと注意点
こうした課題を解決する一つの選択肢が広告代理店への運用委託。ただし、委託を検討する際はメリットとデメリットをしっかりと理解しておく必要があります。
広告代理店に依頼する3つのメリット
多くの広告代理店がリスティング広告の運用代行サービスを提供しているのは、広告主にとってメリットがあるからこそ。ここでは主な3つのメリットをご紹介します。
1.専門的な知識とノウハウを活用して運用してもらえる
広告代理店には多くの運用実績とノウハウが蓄積されています。業界特有の傾向や効果的な運用テクニックなど、自社では得られない専門的な知見を活用できるのは大きなメリットですね。
2.運用工数を削減し本業に集中できる
広告運用の工数を外部に委託することで、自社のリソースを本来の業務に集中させることができます。特に小規模な企業やマーケティング担当者が少ない企業にとっては大きなメリット。
3.配信結果から継続的に運用改善してもらえる
プロの視点での運用改善は広告代理店を利用する最大のメリットの一つです。日々の配信結果を分析し、効果的な改善提案を受けることで、継続的な成果の向上が期待できます。
広告代理店選びのポイントと注意点
メリットが多い広告代理店によるリスティング広告の運用代行サービスですが、依頼の際に注意点もあります。ここでは広告代理店選びのポイントを確認しておきましょう。
料金形態や運用実績を確認する
代理店選びで気になるのは料金形態ですよね。広告予算に対して一定料率の手数料が発生する料金形態の他、月額固定や成果報酬などもありますので、自社の予算や目的に合わせて選択しましょう。
業界標準として一般的なのは、広告予算の20%を運用費として支払うパターンです。
他にも初期費用の有無も確認しておきましょう。
配信レポートをもらえる代理店を選ぶ
運用結果の確認は非常に重要です。
配信後のレポートを提出してくれる代理店を選ぶことをおすすめします。ここでもレポート費用の有無や、数値のみの報告か結果に対する分析も含まれるのか、代理店によってサービス範囲や条件に違いがある点にも注意しましょう。
リスティング広告の始め方まとめ
本記事ではリスティング広告の始め方をご紹介しました。
各広告プラットフォームは広告主にとって使いやすい仕組みへと改善を繰り返していますので、自社の目的やリソースに合わせて、最適な始め方を選択してみるのも一つの手。一方で、まだまだ運用には専門知識が求められるのも事実です。
もし社内でリスティング広告の運用が難しい場合はぜひ一度こちらのお問い合わせフォームからお気軽にご相談下さい。GoogleやLINEヤフー認定代理店である弊社が状況をお伺いし、ご提案や配信シミュレーション、過去の配信事例などの情報提供もさせていただきます。
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