ディスプレイ広告の費用相場を解説!課金形態からコストを抑える方法まで

公開日:2025年03月17日

多くの企業がマーケティング戦略に取り入れるディスプレイ広告。

実施を検討する際は費用相場や費用対効果などの費用に関しては特に気になりますよね。本記事ではディスプレイ広告の費用相場から課金形態、コストを抑えるコツまで徹底解説します。

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ディスプレイ広告とは?

ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリの広告枠に表示される広告のこと。画像や動画、テキストなどを組み合わせて表示され、視覚的に訴求できる点が特徴です。

検索連動型広告と違い、ユーザーの能動的な検索行動がなくても、Webサイトを閲覧しているだけで目に触れる可能性があるのがディスプレイ広告。いわゆる「バナー広告」のイメージですが、現在はより高度なターゲティング技術と多様な広告フォーマットでディスプレイ広告は進化しています。

ディスプレイ広告の基本概要

ディスプレイ広告は、画像や動画、テキストなどを組み合わせたビジュアル訴求が可能な広告。GoogleやYahoo!などの広告ネットワークに属するWebサイトやアプリ上に表示され、幅広いユーザーへのリーチが可能で、以下のような特徴があります。

  • ビジュアル要素を活用した訴求力の高さ
  • 様々なターゲティング設定が可能
  • ブランド認知向上に効果的
  • リターゲティングが可能

ディスプレイ広告は認知拡大からコンバージョン獲得まで、幅広いマーケティング目標に対応できる柔軟性が魅力ですね。特に新商品やサービスの認知拡大フェーズでは、効率よく多くのユーザーに情報を届けられるのも大きなメリットです。

費用相場は配信先によって差があるディスプレイ広告

ディスプレイ広告の費用は配信先によって大きく異なります。また、業界や競合状況によっても変わってくるため、一概に「これが相場」と言い切れない面もありますが、目安となる数字をご紹介します。

Googleディスプレイ広告(GDN)の費用相場

Googleディスプレイ広告(GDN)の費用相場は以下の通りです。

  • 平均CPC(クリック単価):50円〜300円
  • 平均CPM(1,000インプレッション単価):200円〜500円

 

GDNの費用は非常に幅広く、ターゲティングの精度や業界の競合状況によって大きく変動します。例えば、広いターゲットに対する認知拡大施策であれば低単価で大量配信が可能ですが、コンバージョンを目的とした狭いターゲティングでは単価が上がる傾向にあります。

また、媒体配信結果データから分析して改善するためには、月10万円程度の予算から効果測定が可能で、それ以下だと十分なデータが集まらず、効果検証が難しくなるケースが多くなります。

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)の費用相場

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)の費用相場は以下の通りです。

  • 平均CPC:60円〜350円
  • 平均CPM:250円〜600円

 

YDAはGDNに比べて若干単価が高めの傾向がありますが、日本国内の40代以上のユーザーに対しては特にリーチの強みがあり、国内ビジネスにとっては効果的な選択肢となるでしょう。

YouTube広告の費用相場

YouTube広告の費用相場は広告タイプによって大きく異なります:

  • インストリーム広告(スキップ可能)平均CPV(視聴単価):5円〜15円
  • インストリーム広告(スキップ不可)平均CPM:1,000円〜2,000円
  • ディスカバリー広告平均CPC:100円〜400円

 

YouTube広告は動画フォーマットの特性上、広告制作コストも考慮する必要があります。高品質な動画制作を外注する場合は数十万円のコストがかかることも珍しくありません。

ただし、最近ではスマートフォンで簡単に撮影・編集できる動画や、静止画をスライドショー形式にした簡易的な動画広告も効果を上げています。

必ずしも高額な制作費をかけた動画が高いパフォーマンスを発揮するわけではなく、ターゲットユーザーに響くメッセージ設計が重要です。

Microsoft広告の費用相場

Microsoft広告(ディスプレイネットワーク)の費用相場は以下の通りです:

  • 平均CPC:40円〜250円
  • 平均CPM:150円〜400円

 

Microsoft広告は比較的競合が少なく、Google広告と比べて安価なクリック単価が魅力です。特にB2BマーケティングではLinkedInのデータを活用したターゲティングが可能な点も魅力的

まだ配信対象の規模は小さいながらも、コスト効率の良い広告配信先として検討する価値があります。

業界別の費用相場の違い

ディスプレイ広告の費用は業界によっても大きく異なります。

一般的な目安として業界別の傾向をご紹介します。

業界 平均CPC 特徴
金融・保険 200円〜500円 競合が多く単価が高め
不動産 150円〜400円 地域ターゲティングが重要
美容・健康 100円〜300円 ビジュアル訴求が効果的
EC・小売 50円〜200円 リターゲティングが有効
教育・学習 80円〜250円 季節性がある

 

同じ業界でも商材やターゲットによって最適な配信先や予算は大きく変わります。例えば、若年層向けのファッションECであればInstagram広告やYouTube広告が効果的ですが、シニア向けの健康食品であれば、YDAやGDNの方が効果を発揮するといったケースですね。

 

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ディスプレイ広告の課金形態

ディスプレイ広告の費用を理解する上で、様々な課金形態も抑えておきましょう。どの課金形態を選ぶかによって、コスト構造や最適な運用方法が変わってきます。

クリック課金(CPC)の仕組み

クリック課金(CPC:Cost Per Click)は、ユーザーが広告をクリックした回数に応じて料金が発生する課金形態です。広告が表示されただけでは費用は発生せず、クリックされた時のみ費用が発生します。

  • クリックに対してのみ広告費が発生する
  • サイトトラフィック獲得に適している
  • クリック率(CTR)が低い広告でも、表示されるだけなら無料

インプレッション課金(CPM)の仕組み

インプレッション課金(CPM:Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに料金が発生する課金形態。ユーザーがクリックしなくても、表示されるだけで費用が発生します。

  • 広告の露出数(リーチ)に応じた費用が発生
  • ブランド認知向上に適した課金形態
  • 大規模なリーチを目指す場合に効率的

コンバージョン課金(CPA)の仕組み

コンバージョン課金(CPA:Cost Per Acquisition)は、コンバージョン(商品購入、資料請求、会員登録など)が発生した場合のみ料金が発生する課金形態です。

  • 成果に応じて広告費が発生する
  • コンバージョン獲得を明確な目的とする場合に適している
  • 広告効果の予測が立てやすい

 

自動入札を活用したCPA型運用では獲得したいコンバージョンあたりの目標コストを設定し、それに合わせたAIによる入札単価の自動調整が可能。これにより、CPC入札でもCPA目標に合わせた運用ができるようになりました。

どの課金方式を選べばいいのか?

最適な課金方式は広告の目的やキャンペーンのフェーズによって異なります。

ここでは一例として課金方式の選び方をご紹介します。

広告目的 おすすめの課金方式 理由
ブランド認知 CPM 最大限の露出を確保できる
サイト訪問 CPC 具体的なクリック数に対して課金
コンバージョン獲得 CPA(または目標CPA入札) 成果に直結した費用対効果
リターゲティング CPC(または 目標ROAS入札) 高い確度でのコンバージョン獲得

 

キャンペーンの初期段階ではCPMでリーチを広げ、データが蓄積されてきたらCPCに切り替え、さらにコンバージョンデータが十分に集まってきたら目標CPA入札に移行するといった段階的な変更をおこなう方法もあります。

 

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ディスプレイ広告の費用の決め方

ディスプレイ広告の予算設定はプランニングにおいて重要な要素です。ここからは効果的な予算配分のために考慮すべきポイントを見ていきましょう。

最低限必要な広告予算の目安

ディスプレイ広告を効果的に運用するための最低限の予算目安は以下の通り。

  • 小規模テスト運用:5万円〜10万円/月
  • 中規模の継続運用:10万円〜30万円/月
  • 大規模キャンペーン:30万円〜100万円以上/月

 

この予算設定は、十分なデータ収集と効果測定ができるラインを考慮した一例です。

例えば、月間5万円の予算でCPCが100円の場合、月間500クリックしか獲得できません。コンバージョン率が1%だとすると、月間5件のコンバージョンしか見込めないことになります。

統計的に意味のある効果検証をするにはこのような数件だけのコンバージョンデータだと足りません。この観点から、コンバージョン率や単価を逆算して必要最低限の予算を算出することをおすすめします。

広告の費用対効果(ROI、ROAS)を考慮した予算決定

広告予算を決める際には、期待されるROI(Return On Investment:投資利益率)やROAS(Return On Ad Spend:広告費用対効果)を考慮しましょう。

ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)

 

例えば、広告費10万円に対して売上が30万円であればROAS = 300%。

施策全体を評価する上では広告費だけでなく、運用工数や制作費なども含めた総合的なROIも考えておきたいところです。これは広告運用の内製化・外注化の判断にも役立ちますね。

広告代理店に依頼する場合の費用

広告代理店にディスプレイ広告の運用を依頼する場合は一般的に以下のような費用が発生します。

  • 初期設定費用:5万円〜30万円
  • 月額運用費:広告費の20%または固定費
  • クリエイティブ制作費:別途(バナー1種あたり1万円〜5万円程度)

代理店報酬の形態には主に以下の3つがあります。

  1. 広告費に対する歩合制:広告費の20%が一般的
  2. 固定報酬制:月額固定の運用費(運用ボリュームや工数によって変動)
  3. 成果報酬制:コンバージョン数や売上に応じて報酬が変動

 

代理店選定の際は単純な費用だけでなく、運用実績やサポート体制、レポート有無なども考慮して選定することが重要。安価な代理店に依頼しても、効果的な運用ができなければ結果的にコストパフォーマンスは低下してしまうからです。

自社運用と代理店依頼のメリット・デメリット

ディスプレイ広告を自社で運用するか、代理店に依頼するかは重要な判断ポイント。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。

比較項目 自社運用 代理店依頼
コスト 人件費(工数・教育・管理コスト) 広告費+代理店手数料
専門性 社内リソースに依存 専門知識と豊富な経験を活用可能
スピード 意思決定が早い 調整に時間がかかる場合がある
ノウハウ蓄積 社内にノウハウが蓄積される 社内ナレッジ化には工夫が必要
リソース 限られたリソースで運用 複数の専門家による柔軟な体制

 

以下のような場合は自社運用を検討してみましょう。

  • 広告運用の知識を持っていて運用リソースを確保できる社員がいる
  • 予算規模がそれほど大きくない
  • 社内にマーケティングノウハウを蓄積したい

一方で、以下のような場合は代理店への依頼がおすすめです。

  • 広告運用の専門知識を持った人材がいない
  • 一定以上の予算規模で継続的に広告配信したい
  • 複数の広告媒体を横断的に運用したい
  • 継続的な改善によって広告効果を高めたい

 

内製と外注で迷った場合は、一度広告代理店の話を聞いてみて、外注するかどうかを見極めるのもおすすめの進め方です。弊社でも無料相談配信シミュレーション提供をおこなっていますのでお気軽にお声がけください。

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ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

ディスプレイ広告とリスティング広告(検索連動型広告)は、よく比較される主要Web広告です。ここでは簡単に違いを確認できるように両者の主な違いを表にまとめました。

比較項目 ディスプレイ広告 リスティング広告
表示形式 バナー・画像・動画など 主にテキスト
表示タイミング Webサイト閲覧時 検索エンジンでの検索時
ユーザー意図 必ずしも興味関心なし 能動的な検索行動あり
主な効果 認知拡大・ブランディング 即時的なコンバージョン
CTR(平均) 0.1%〜0.5%程度 2%〜5%程度

ディスプレイ広告のメリット・デメリット

ディスプレイ広告の費用検討にあたって、メリットとデメリットを正しく理解しておくことも重要。ここでは簡単にメリットとデメリットも見ておきましょう。

 

ディスプレイ広告の主なメリットは以下の通りです。

  • 視覚的に訴求できるため、ブランド認知に効果的
  • リスティング広告より単価が安い傾向がある
  • 幅広いリーチが可能
  • 様々なターゲティングオプションが利用できる
  • リマーケティングによる効率的なアプローチが可能

一方で、デメリットもあるため併せて理解しておきたいところです。

  • クリック率(CTR)が低い傾向にある
  • 「バナーブラインドネス」と呼ばれる広告を無視される現象が起きる
  • コンバージョン率が低い傾向がある
  • 設定によっては関連性の低いユーザーにも配信されてしまう

ディスプレイ広告の配信先

ディスプレイ広告の費用を考える上で、どの配信先(広告プラットフォーム)を選ぶかも重要です。各プラットフォームによって特徴やコスト、ターゲットとなるユーザー層が異なります。

ここからは主な配信先について見ていきましょう。

Googleディスプレイネットワーク(GDN)

Googleディスプレイネットワーク(GDN)は世界最大級のディスプレイ広告ネットワークの一つで、200万以上のウェブサイト、動画、アプリに広告を配信できます。

GDNはGoogleの広告管理ツール「Google広告」から配信が可能です。

Yahoo!ディスプレイ広告[運用型](YDA)

Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)は、LINEヤフー社が提供するディスプレイ広告配信サービス。Yahoo! JAPANをはじめとする国内の主要メディアに広告を配信できます。

ヤフーとLINEが統合したことで、共に日本国内の主要プラットフォームである両者のネットワークや利用ユーザーを活かした配信は大きな強みです。

YouTube広告

YouTube広告は、世界最大の動画プラットフォームであるYouTube上に表示される広告。Google広告の管理画面で運用できるため、GDNと合わせた統合的な運用が可能です。

Microsoft広告(Bing広告)

Microsoft広告(旧Bing広告)は、MicrosoftのBing検索エンジンおよびそのパートナーサイトに表示される広告です。

検索連動型広告だけでなく、ディスプレイ広告ネットワークも提供しています。特にB2Bビジネスでは、Microsoft広告独自のターゲティングが強い武器となります。

費用を抑えてディスプレイ広告を配信する方法

ここからは限られた予算で最大限の効果を得るために、ディスプレイ広告の費用を抑えるテクニックをご紹介します。

ターゲティングを最適化して無駄な配信を防ぐ

ディスプレイ広告の効率を高める特に重要なポイントが適切なターゲティングの設定。

例えば下記のようなターゲティングは適切に設定しましょう。

  • 地域ターゲティング
  • デモグラフィックターゲティング
  • 興味関心ターゲティング
  • トピックターゲティング
  • プレースメントターゲティング

 

最初は比較的広めのターゲティングでスタートし、データが集まってきたら徐々に絞り込んでいくアプローチが効果的。例えば、初期データから高いCVRが出ている地域や年齢層、興味カテゴリーを特定し、そこに予算を集中させるという方法ですね。

類似オーディエンス機能で既存の顧客や過去のコンバージョンユーザーに類似したユーザー層に広告を配信する方法も効果的。新規ユーザー獲得の効率を向上させることができます。

効果の高いクリエイティブを作成する

広告のクリエイティブ(バナーデザインやコピー)の質は広告の成果に大きく影響します。以下のような工夫を盛り込んでみましょう。

  • 明確なCTA(Call To Action)の提示
  • レスポンシブ広告の活用
  • 季節やトレンドの反映
  • A/Bテストの実施

定期的にクリエイティブの見直しをおこない、いわゆる"クリエイティブ疲れ"を起こさないよう常に新鮮さを保つことも大切。ユーザーは同じ広告を繰り返し見る反応率が低下してしまうからです。

除外設定を活用して無駄な広告費を削減

効果的なターゲティングと同様に重要なのが、不要なユーザーや配信先を除外する設定です。

サイトカテゴリやプレースメント、モバイルアプリカテゴリ、コンテンツなどの中から、ターゲットと明らかに異なる配信先は除外しておきましょう。

リターゲティング広告を活用する

コスト効率の高いディスプレイ広告手法として、リターゲティング(リマーケティング)広告の活用が挙げられます。これは自社サイトを訪問したことのあるユーザーに対して再度広告を表示する手法。

リターゲティング広告のCVRは通常のディスプレイ広告の何倍もの成果になることも珍しくありません。

ディスプレイ広告の費用まとめ

本記事ではディスプレイ広告の費用についてご紹介しました。

ディスプレイ広告は適切な戦略と運用によって効果的な施策となります。費用面では、配信先や課金形態、業界特性によって大きく異なりますが、最適化のポイントを押さえることで、限られた予算でも高い効果を得ることが可能。まずは小規模から始め、データに基づいた改善を繰り返しながら、自社に最適な運用スタイルを見つけていくことをおすすめします。

弊社クリエルでは東京・福岡を中心に全国の企業様のディスプレイ広告運用をご支援しています。GoogleやLINEヤフー認定代理店である弊社が状況をお伺いし、ご提案や配信シミュレーション、過去の配信事例などの情報提供もさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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