Googleのデマンドジェネレーション広告とは?特徴からメリットとデメリットまで詳しく紹介
更新日:2025年03月18日
ファインド広告からアップグレードしたGoogle広告のデマンドジェネレーション広告。
本記事では潜在顧客の掘り起こしに効果的なGoogleデマンドジェネレーション広告の特徴からメリットとデメリットまで詳しく解説します。
Googleのデマンドジェネレーション広告とは?
Googleのデマンドジェネレーション広告とは、潜在顧客の興味や関心を引き出し、購買意欲を高めることを目的とした広告手法です。
デマンドジェネレーション広告はGoogleが以前提供していたファインド広告がアップグレードされたもので、2023年に発表された比較的新しい広告形式。デマンドジェネレーションという名前の通り、商品やサービスに対する潜在的な需要を創出するために有効な広告で、エンターテイメント向けのタッチポイントでユーザーへ広告訴求できます。
Googleのデマンドジェネレーション広告は潜在層へのリーチに強みがあり、ユーザーが能動的に情報を探していないタイミングでも効果的に広告を届けられる施策なのです。
デマンドジェネレーション広告の配信面
デマンドジェネレーション広告の大きな特徴は多彩な配信面にあります。
Google検索結果ページに表示される検索広告とは大きく異なり、以下のようなさまざまな場所に広告が表示されます。
- Discover(Googleアプリのフィード画面)
- YouTube(フィード・インストリーム・ショート)
- Gmail(プロモーションタブ)


(出典:デマンド ジェネレーション キャンペーンについて - Google 広告 ヘルプ)
特に注目したいのが「Discover」と「YouTubeショート」。
Discoverはユーザーの興味関心に合わせたコンテンツを表示する配信面で、YouTubeショートは短尺動画コンテンツとして若年層を中心に高い人気を誇るプラットフォームです。これらの場所に広告を出稿できるため、ユーザーの日常に自然な形で広告メッセージを届けられるのです。
デマンドジェネレーション広告のターゲティング方法
デマンドジェネレーション広告のもう一つの強みがターゲティング機能です。
主なターゲティング方法は以下の通り。
- 既存のカスタムセグメント
- データセグメント
- 類似セグメント
- 既存のオーディエンス
特に類似セグメントは上手く活用したい機能です。
類似セグメントは既存顧客のデータを活用し、近い特性を持つ新たなユーザー層へのリーチが可能なターゲティング。例えば、過去に高額商品を購入したユーザーや長期間サービスを継続利用しているといったユーザーの特性に類似した新規見込み客にピンポイントでアプローチすることが可能になります。
また、カスタムセグメントを活用すれば検索履歴を元にしたターゲティングも可能。Googleのデマンドジェネレーション広告では、これらのようなターゲティング手法を柔軟に組み合わせることで効率的な広告配信ができます。
デマンドジェネレーション広告の課金形態
デマンドジェネレーション広告の課金形態は広告によって変わり、インプレッション単価やクリック単価などの入札単価が併用されます。
広告ごとの課金形態は以下の通りです。
- YouTubeの動画広告:インプレッション単価
- YouTubeのイメージ広告:インプレッション単価
- Gmail:ティーザーのクリック
- Discoverフィードのイメージ広告:クリック単価
- Discoverの動画広告:インプレッション単価・クリック単価
Googleのデマンドジェネレーション広告と他の広告との違い
Googleの広告プラットフォームには様々な種類がありますが、デマンドジェネレーション広告は他の広告形式と比較してどのような特徴があるのでしょうか。
ここではファインド広告・ディスプレイ広告・P-MAXキャンペーンとの違いについてご紹介します。
ファインド広告との違い
ファインド広告はデマンドジェネレーション広告の旧バージョンにあたります。
デマンドジェネレーション広告の前に2024年初頭まで配信できていたのがファインド広告で、現在ファインド広告の提供は終了しています。
2024 年 1 月~3 月の期間に残りのすべてのファインド キャンペーンが自動的にデマンド ジェネレーションにアップグレードされるため、AI を活用して需要を促進する最新の機能を新年からご利用いただけるようになります。。
(出典:間近に迫るファインド広告からデマンド ジェネレーションへのアップグレード - Google 広告 ヘルプ)
しかし、Googleが「デマンドジェネレーション広告へアップグレード」と表現したように名称変更だけではありません。YouTubeショートやインストリームへリーチが拡大したり、ファインド広告では配信できなかった動画クリエイティブも配信できるようになりました。
ディスプレイ広告(GDN)との違い
Googleのディスプレイ広告(GDN:Google Display Network)とデマンドジェネレーション広告は、どちらもユーザーが能動的に検索していない状態で広告を表示するという点では似ています。
大きな違いは配信面と配信ロジック。
GDNは主にウェブサイト上のバナー広告として表示されるのに対し、デマンドジェネレーション広告はDiscover、YouTube、Gmailなど、Googleの独自サービス内に表示されます。特にDiscoverやYouTubeショートなど、ユーザーが高頻度で利用するフィード型コンテンツ内に自然な形で広告が組み込まれるため、ユーザー体験を損なわずに広告メッセージを届けることができるのが特徴です。
また、配信ロジックの面では、GDNがサイトのコンテンツやコンテキストに基づいて広告を配信するのに対し、デマンドジェネレーション広告はユーザーの行動履歴や興味・関心に基づく配信が中心となります。
P-MAXキャンペーンとの違い
パフォーマンスマックス(P-MAX)キャンペーンは、Googleの自動入札と機械学習を最大限に活用して、複数の広告配信面にわたって広告を最適化するキャンペーン。P-MAXとデマンドジェネレーション広告の大きな違いは、最適化の目的と配信面にあります。
P-MAXは主にコンバージョン獲得の最大化を目的としており、検索ネットワーク、ディスプレイネットワーク、YouTube、Gmail、Discoverなど幅広い配信面で広告を展開します。一方、デマンドジェネレーション広告は潜在需要の喚起に強みがあり、配信面もDiscover、YouTube、Gmailなどに限定されています。
これらの違いから、新規顧客の開拓や認知拡大フェーズではデマンドジェネレーション広告、コンバージョン最大化フェーズではP-MAXといった使い分けが効果的です。
デマンドジェネレーション広告の3つのメリット
デマンドジェネレーション広告には他の広告タイプと比べて以下のようなメリットがあります。
メリット1.Google独自の配信面で効果的にリーチ可能
デマンドジェネレーション広告最大の強みは、一般的なウェブサイトではなく、GoogleのDiscover、YouTube、Gmailといった独自のプラットフォーム上に広告を配信できること。
特にDiscoverはGoogleアプリを開いた際に表示されるフィード型のコンテンツで、ユーザーの興味・関心に基づいた記事や情報が表示される場所です。YouTubeショートも若年層を中心に多くのユーザーが利用しています。
これらの場所に広告を出稿できることは、通常のWebサイト上のディスプレイ広告ではリーチできないユーザー層にもアプローチできるということ。特にスマホでの情報収集が中心で、Webサイトをあまり閲覧しないデジタルネイティブ世代へのリーチに効果的ですね。
メリット2.類似セグメントを活用した新規ユーザー開拓
デマンドジェネレーション広告では類似セグメントというターゲティング機能を活用できます。
これは既存顧客に似た特性を持つユーザーに広告を配信する機能。例えば、過去に高額商品を購入したユーザーのデータをもとに類似セグメントを作成すれば、同様の購買行動を取りそうなユーザーへリーチできる可能性が高まります。
既に廃止された類似セグメントをデマンドジェネレーション広告では利用可能な点は大きなメリットと言えますね。
メリット3.YouTubeショートへの広告配信が容易
若年層を中心に非常に人気のあるYouTubeショート。この短尺動画プラットフォームへデマンドジェネレーション広告で配信できます。
YouTubeショートは特に10〜20代の若年層の利用率が高く、若年層へのアプローチに効果的。さらに、ショート動画の特性上、ユーザーは次々と動画をスワイプしていくため、短時間で多くのインプレッション獲得が可能です。
広告フォーマットとしては、縦型の動画広告や静止画のカルーセル広告が活用できます。特に縦型の動画広告はコンテンツの流れに自然に溶け込むため、ユーザー体験を損なわずに広告メッセージを届けることができます。
デマンドジェネレーション広告の2つのデメリット
多くのメリットを持つデマンドジェネレーション広告ですが、活用の際に知っておくべきデメリットもあります。
デメリット1.配信面の指定ができない
デマンドジェネレーション広告の最大のデメリットの一つは配信面を細かく指定できない点です。
Discover、YouTube、Gmail、Google Playなどの配信面があるものの、「YouTubeだけに配信したい」「Discoverには表示させたくない」といった細かい設定はできません。
これは、広告予算の配分を細かくコントロールしたい場合は大きな制約ですよね。例えば、過去の実績から「YouTubeショートでの配信が最も効果的」とわかっていても、予算をそこに集中させることができないのです。
デメリット2.プレースメントによるターゲティングが限定的
もう一つの大きなデメリットは、GDNのようなコンテンツターゲティングができない点です。
GDNでは、特定のWebサイトやコンテンツカテゴリに広告を配信することができますが、デマンドジェネレーション広告ではYouTube動画など限定的なプレースメントのターゲティングとなります。
但し、カスタムセグメントを活用してWebサイトのURLやキーワードを指定することで、間接的に関連性の高いユーザーにアプローチすることは可能です。
デマンドジェネレーション広告の効果を最大化する運用方法
デマンドジェネレーション広告の効果を最大限に引き出すために重要となるのが運用方法。ここでは、実践的な運用ノウハウを詳しく解説します。
適切なターゲティング戦略
デマンドジェネレーション広告の成否を大きく左右するのがターゲティング戦略です。
まず重要なのはファネル(顧客獲得の段階)に応じたターゲティング設計。認知拡大フェーズでは類似セグメントを広めに設定し、コンバージョン獲得フェーズではリマーケティングやカスタムセグメントを活用するといった使い分けが効果的です。
また、複数のターゲティング手法を組み合わせる運用方法も有効。例えば「30代・男性・スポーツに興味がある・高価格帯スマートフォンを所有」といった複合条件設定により、より精度の高いターゲティングが可能になります。
一方で、過度に狭いターゲティングにならないよう注意が必要です。
条件を絞り込みすぎると、リーチが極端に限定され、十分なインプレッション数を確保できなくなります。特に運用初期は広めのターゲティングからスタートし、データに基づいて徐々に最適化していく運用をおすすめします。
効果的なクリエイティブ制作のポイント
デマンドジェネレーション広告ではユーザーの注目を集めるクリエイティブが重要です。
視覚的なインパクトは特に重要。ユーザーがスクロールする際に、一瞬で目を引くデザインを心がけましょう。鮮やかな色使い、人物のクローズアップ、意外性のある構図などが効果的です。
次に、シンプルで分かりやすいメッセージにすることも重要。ユーザーは広告を深く読み込むことはなく、ざっと目を通す程度です。そのため、伝えたいメッセージを一目で理解できるよう、簡潔な文言を心がけましょう。特に広告見出しは非常に重要で、ユーザーベネフィットを明確に伝える文言が効果的です。
定期的なクリエイティブの入れ替えも大切です。同じクリエイティブを長期間使用していると、広告効果が徐々に低下する「広告疲れ」が発生します。定期的に新しいクリエイティブを投入し、広告の鮮度を保ちながらユーザーに届けるようにしましょう。
運用初期の学習期間を考慮した予算設定
Googleのデマンドジェネレーション広告では運用開始直後から最大のパフォーマンスを発揮するわけではなく、一定の学習期間を経て効果が高まるため、この点を考慮した予算設定が重要です。
これを踏まえると、キャンペーン全体の予算を均等配分するのではなく、配信開始直後は少なめに設定し、データが蓄積されるにつれて徐々に予算を増やしていく運用が効果的です。
また、初期の学習期間中はCPAやROASなどの成果指標にとらわれすぎないことも重要。この時期は、クリック率(CTR)やエンゲージメント率といった中間指標を重視し、ユーザーの反応を見ながら広告内容を最適化していきましょう。
Googleデマンドジェネレーション広告のまとめ
本記事ではGoogleのデマンドジェネレーション広告についてご紹介しました。
Google広告にはデマンドジェネレーション広告だけでなく、P-MAXやリスティング広告もあるため、それぞれの強みを活かして効果的に組み合わせながら活用していきましょう。
また、Google広告の他にもさまざまな媒体が存在します。Web広告の媒体選びにお困りの場合は「初めてでも間違えない!Web広告媒体の選び方」も参考にしてみてくださいね。
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