ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットや配信のポイントを紹介

更新日:2025年02月25日

画像や動画を使用して、視覚的に訴求可能な「ディスプレイ広告」。

様々なWebサイトで目にする画像や動画によるディスプレイ広告は、多くの企業のマーケティング戦略に不可欠な存在となっています。しかし「ディスプレイ広告とは?」「リスティング広告との違いは?」「本当に効果があるの?」など、初めて取り組む方には疑問点も多いもの。

そこで今回は、ディスプレイ広告とは何か?メリットやデメリット、費用や配信のポイントについて解説します。

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ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、Webサイトの広告枠に掲載される画像や動画、テキストによって構成された広告です。

バナー形式で表示されることが多いことから「バナー広告」と呼ばれることも。ここでははじめに、仕組みや配信先など、ディスプレイ広告とはどういう広告なのか基礎知識から確認していきましょう。

ディスプレイ広告の仕組み

ディスプレイ広告とは「アドネットワーク」を通じて配信されるWeb広告です。

アドネットワークとは、Webサイトやメディア、ブログなど複数の広告媒体によって形成されたネットワークのこと。

ユーザーのIPアドレス、登録情報、Webの閲覧履歴といったデータをもとにターゲティングをおこない、ネットワーク内の最適な広告枠に配信される仕組みです。

ディスプレイ広告はどこに表示される?

上記の通り、ディスプレイ広告はWebサイトやブログ内の広告枠に表示されます。

広告枠は記事の途中やサイドバー、記事の下などによく設置されています。ディスプレイ広告の例

ディスプレイ広告の例

Googleディスプレイ広告がどこに表示されるかはこちらの記事で詳しく解説しています。

ディスプレイ広告の主な媒体(Google・Yahoo!)

ディスプレイ広告の配信サービスには、2つの大きなアドネットワークが存在します。

それが「GDN(Google display network)」と「YDA(Yahoo! display Ad)」

 

GDNとYDAの違いの一つとして、GDNは一般のサイトやブログ内に幅広く配信されるのに対し、YDA(旧YDN)はYahoo!ニュースやYahoo!メールに加え、LINE、その他の提携メディアにも配信されるといった、配信先媒体の違いが挙げられます。

他にも以下のように媒体ごとの特徴があります。

特徴 GDN(Google Display Network) YDA(Yahoo! Display Ad)
配信面 Google提携サイト、YouTube、Gmail、Googleアプリなど Yahoo!関連サイト、LINE、その他提携メディア
ユーザー層 幅広い年齢層、特に若年~中年層、海外ユーザーも 国内ユーザー、特に40代以上の比率が高い
広告フォーマット テキスト、画像、動画、リッチメディア、レスポンシブなど多様 バナー、ネイティブ、動画など
ターゲティング 行動履歴、興味関心、トピック、キーワード、リマーケティングなど デモグラフィック、興味関心、行動履歴、地域など
最低出稿金額 特になし(日予算は100円〜設定可能) 特になし(日予算は1,000円〜設定可能)
得意分野 幅広いリーチ、詳細なターゲティング 日本国内のYahoo!ユーザーへのリーチ

ディスプレイ広告の主な種類と特徴

ディスプレイ広告にはいくつかの種類があり、それぞれ表示方法や訴求ポイントが異なります。目的に合わせて最適なタイプを選びましょう。

ここでは5種類のディスプレイ広告をご紹介します。

1. バナー広告

最も一般的なディスプレイ広告の形式で、Webサイトのヘッダー、サイドバー、記事中、フッターなどに表示される画像広告。サイズは300×250ピクセル(レクタングル)、728×90ピクセル(リーダーボード)などが標準的です。

2. レスポンシブ広告

表示される広告枠のサイズに応じて自動的に最適なサイズに調整される広告。様々なデバイスに対応でき、1つの広告素材で幅広い広告枠に配信できるメリットがあります。

3. リッチメディア広告

動画、音声、インタラクティブな要素を含む高度な広告形式。ユーザーの関心を引きやすく、エンゲージメント率が高いのが特徴です。

マウスオーバーで拡大したり、タップで展開したりする機能を持つ広告もあります。

4. 動画広告

YouTubeなどの動画プラットフォームやWebサイト内で再生される動画形式の広告。

ストーリー性を持たせた訴求が可能で、商品・サービスの魅力を視覚的に伝えやすい特徴があります。

5. ネイティブ広告

広告掲載メディアのコンテンツに溶け込むようなデザインの広告。

「広告」という印象を与えにくいため、ユーザーに自然に受け入れられやすい特徴があります。コンテンツの一部のように見えるため、バナー広告よりもクリック率が高い傾向にあります。

リスティング広告との違い

リスティング広告とディスプレイ広告の主な相違点は以下の3つ。

  • 配信形式
  • 配信面
  • アプローチ可能なユーザー層

配信形式の違い

リスティング広告はタイトルと短い文章というテキストのみで構成されるのに対し、ディスプレイ広告は画像や動画、テキストなどを組み合わせて使用できます。

配信面の違い

上でも触れたように、ディスプレイ広告はアドネットワーク内のサイト内に配信されます。
一方、リスティング広告の配信場所はGoogle・Yahoo!など検索エンジンの検索結果画面です。

Googleリスティング広告

リスティング広告の例

アプローチ可能なユーザー層

リスティング広告とは、ユーザーが検索に使ったキーワードに応じて表示されるという性質上、顕在層(ニーズが高まっている層)に向けたアプローチを得意としています。

それに対し、ディスプレイ広告は興味がありそうなユーザーに幅広くリーチする配信イメージです。ニーズはあるものの自覚はしていない、潜在層に向けてのアプローチが可能です。

ディスプレイ広告のメリット

ここからはディスプレイ広告のメリット・デメリットについて解説します。

主なディスプレイ広告のメリットは以下の4つ。

  • 視覚的に訴求できる
  • 潜在層と顕在層の両方にアプローチ可能
  • クリック単価が低い傾向にある
  • リマーケティングが可能

視覚的に訴求できる

ディスプレイ広告は画像や動画を使用できるため、ビジュアル面でも自社の商品・サービスをアピールが可能です。商材のビジュアルを広告内に掲載することによって、実際に手にしたときを想像してもらいやすくなるでしょう。

また、テキストのみの広告ではユーザーの目に留まらずスルーされてしまうことがよくありますが、インパクトのあるクリエイティブを使用すれば注目度を上げることができます。

潜在層と顕在層の両方にアプローチ可能

ディスプレイ広告は、自社の商材に興味がありそうな人に向けて幅広く配信するイメージです。

そのため、ニーズはあるけどまだ具体的に検討していない人や、ニーズ自体を自覚していないような「潜在層」のユーザーにもアプローチが可能。性別や年齢といった属性情報から、過去の検索に基づく興味関心といったWebでも行動履歴のような切り口からユーザーをターゲティングすることができます。

もちろんターゲティング次第で顕在層にもリーチできるのがディスプレイ広告の強みの一つです。

クリック単価が低い傾向にある

ディスプレイ広告は比較的クリック単価が安い傾向にあります。

配信費用はオークション形式で決定されますが、膨大な数の広告枠が存在するため、一つあたりに対する競合の数が少ないのが理由の一つです。

リマーケティングが可能

リマーケティング(Google以外の場合はリターゲティング)とは、一度自社サイトに訪れたユーザーにディスプレイ広告を配信する手法です。

必然的に興味関心の高いユーザーを狙えるため、クリック率・コンバージョン率が高いのがメリット。その反面、過度に繰り返し配信しすぎるとネガティブな印象を持たれてしまう危険性もあります。

ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告には以下のようなデメリットもあるため配信の際には要注意です。

  • コンバージョンにはつながりにくい
  • 効果測定が難しい

コンバージョンにはつながりにくい

ディスプレイ広告は主に潜在層に向けて配信されます。

そのため検索をおこなったユーザーに向けて表示されるリスティング広告などと比較すると、購入につながる可能性は低くなってしまうのです。

コンバージョンアップよりも認知拡大・ブランディングなどに適した広告といえるでしょう。

効果測定が難しい

ディスプレイ広告には画像やテキストなど様々な要素が含まれるため、たとえ成果が出たとしてもどの要因が功を奏したのかわからないことがあります。

効果が上がる要因を知りたい際には、各要素ごとの地道なテストが必要。追うべき指標を明確にし、効果改善のためのPDCAサイクルを回すことで成果改善は可能です。

ディスプレイ広告は直接的なコンバージョンに結びつかなくても購買プロセスに貢献している場合があるため、ラストクリック以外のアトリビューションモデルで効果を評価することも有効ですね。

ディスプレイ広告の配信費用

ディスプレイ広告に決まった費用はありません。自分で予算を設定して広告配信する仕組みです。

ディスプレイ広告の費用形態はクリック課金・インプレッション課金の2種類が主流で、前者の場合はクリック数、後者の場合はインプレッション(表示)数に応じて費用が発生する仕組み。

他にも広告がクリックされてコンバージョンに至った場合にのみ課金されるコンバージョン課金(CPA)や広告が実際にユーザーに表示された場合にのみ課金されるビューアブルインプレッション課金(vCPM)などもあります。

Web広告の費用相場はこちらもぜひご覧ください。

ディスプレイ広告配信のポイント

最後に、実際にディスプレイ広告を配信する際のポイントを紹介します。

  • 配信の目的を明確にする
  • 適切なターゲティングを行う
  • 運用状況を見ながらクリエイティブを調整する

配信の目的を明確にする

ディスプレイ広告の配信目的によって戦略が変わるため、きちんと目標を定めた上で配信をおこなうことをおすすめします。目標はサイト流入数や購入数など、具体的な数値で設定しましょう。

また、コンバージョンに至るまでの中間地点となる指標、マイクロコンバージョンを定めるのも運用調整のしやすさにつながります。

適切なターゲティングをおこなう

GDN、YDAでは様々なターゲティング手法を利用可能です。顧客となりうるユーザーを正確にターゲティングすることが費用対効果の高い配信につながります。

自社の商材が、どんな悩みを持っているユーザー、どんな趣味趣向のユーザーに向けたものなのかを洗い出し、それに合わせた層を狙いましょう。

ターゲットユーザーのサンプルとして、ペルソナ(性別や年齢だけでなく趣味や仕事、悩みまで詳細に設定した架空の人物像)を作るのもおすすめです。

変化するディスプレイ広告の最新トレンド

広告テクノロジーの進化に伴い、ディスプレイ広告も日々進化しています。ここでは特に注目すべき最新トレンドを簡単にご紹介します。

1. プライバシー重視時代のターゲティング

サードパーティCookieの廃止やプライバシー規制の強化に伴い、ファーストパーティデータを活用したターゲティングへシフトする動きが進んでいます。

外部サイトのデータ活用が年々難しくなる中、自社サイトでの行動データやCRM情報を基にしたディスプレイ広告のセグメント配信が今後は益々重要になっていくでしょう。

2. AIによる自動最適化の進化

Google広告のP-MaxキャンペーンのようなAI技術を活用した自動最適化機能が進化を続けています。

クリエイティブのバリエーション生成から予算配分、入札戦略まで、ディスプレイ広告の配信をAIが自動で最適化をおこなうことで、より効率的な広告運用が可能になっています。

自社運用が難しい場合は代理店に依頼がおすすめ

自社でディスプレイ広告の細かい調整をおこなうのが難しい場合は、代理店に運用を依頼するのがおすすめです。

代理店に依頼する場合は、広告費に加えて運用手数料が発生しますが、プロの運用によって配信が最適化され、自社で運用するより費用対効果が高くなることが期待できます。

ただし、代理店の得意な分野、代理店自体の質にもよりますので、選定は慎重におこないましょう。

ディスプレイ広告に関するよくある質問と回答

ここではディスプレイ広告に関するよくある質問と回答をご紹介します。

Q.ディスプレイ広告はどこに表示されますか?

A.GoogleのGDN(Googleディスプレイネットワーク)とYahoo!のYDAの2大ネットワークは多数の提携メディア枠に表示されます。例えば食べログやBuzzFeed、各新聞社が運営する提携Webメディアのほか、GDNはYouTubeやGmailといったGoogleが提供するサービスへ、YDAはヤフー提供サービスやLINEにも表示されます。GDNとYDA(旧YDN)の違いはこちらをご覧ください。

Q.Googleのディスプレイ広告(GDN)のメリットは何ですか?

A.細かいターゲティングと豊富な配信先により、高い配信効果が期待できる広告です。Web広告の中でも特に活用されている広告の一つです。また、ディスプレイ広告ではクリエイティブ品質も効果を大きく左右するポイントです。

ディスプレイ広告とは?メリット・デメリットのまとめ

今回はディスプレイ広告について解説しました。

ディスプレイ広告は、画像や動画を使用して視覚的にも訴求できるのが大きな特徴。幅広く配信により、認知拡大やブランディングに適した広告です。

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