Cookie規制の影響とは?Cookieに頼らない広告配信を紹介
更新日:2022年11月02日
インターネット上のプライバシー保護が推進される昨今、「Cookie」も規制の対象となっています。
今回はCookie規制がWeb広告にもたらす影響と、Cookieに頼らない広告配信について解説します。
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Cookie(クッキー)とは?
まずはCookieとは何か、からおさらいしていきましょう。
Cookieとは、Webサイトにアクセスした際の情報を、一時的にブラウザに保存するためのテキストファイルのことです。
Cookieに保存されるのはサイトの閲覧・操作履歴や、ログイン時に入力したID・パスワードなど。
再び同じサイトを訪れたときにログイン情報の入力を省略する、といったことが可能になります。
似た役割のものとして「キャッシュ」もありますが、こちらはユーザーに関する情報を保存するのではなく、一度デバイスの画面上に表示されたWebページの画像やテキストデータを一時的に保存する仕組み。
次回以降のアクセス時にページの読み込みを軽減でき、表示速度が速くなるというメリットがあります。
CookieにはファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類があり、前者はユーザーが閲覧したサイトが発行するCookie、後者はそうではない第三者によって発行されるCookie(Webサイト上に配信される広告を経由して発行される仕組み)のことです。
Cookie規制について
ここからはCookie規制の内容について見ていきましょう。
一見便利に見えるCookieですが、なぜ規制がおこなわれるのでしょうか。
Cookie規制の背景
Cookieには、詳細な個人情報が記録されることも。
これにより、上記で紹介した閲覧情報の保持によるサイトの利便性向上以外にも、広告のターゲティングやユーザー行動の分析などにも利用することができます。
しかし、そんなふうにデータが活用されていることを多くのユーザーは認知していません。
プライバシー保護の観点からこの点が問題視され、Cookieの規制が進められているのです。
Cookie規制はいつから?
Cookieの規制は段階的に進められています。
法の整備(日本では2022年4月に個人情報保護改正が施行)と同時に、AppleやGoogleといったベンダーによってもCookieの制限・禁止がおこなわれていることをご存知でしょうか。
Appleはブラウザ「Safari」でトラッキングの制限を強化しています。
サードパーティCookie利用の完全禁止はもちろん、ファーストパーティCookieにも制限が掛けられユーザーのトラッキングがすでに難しくなっている状況です。
iPhoneをお使いの方なら、「〇〇が他社のAppやWebサイトを横断してあなたのアクティビティの追跡することを許可しますか?」というポップアップを見たことがあるのではないでしょうか。
これはユーザーにCookieの利用可否を問う表示で、拒否するとCookieがブロックされます。
同じくGoogleでも、ブラウザ「Chrome」において、2024年にはサードパーティCookieを廃止することを発表しています。
ただし「プライバシーサンドボックス」という、サードパーティCookieと同様の機能を持ち、プライバシーの保護も実現する取り組みを開発中で、Cookieの代替として2023年にリリースされる見込みです。
Cookie規制の影響
Cookieが規制されると、以下のような影響がもたらされます。
- ターゲティング精度の低下
- リマーケティング広告の制限
- コンバージョン計測精度の低下
- Googleアナリティクスの計測精度の低下
ターゲティング精度の低下
まず最初に挙げられるのが、広告におけるターゲティング精度の低下。
ターゲティングには、大きく分けて2つの手法があります。
それは、ユーザーに対して絞り込みをおこなう方法と、配信面に対して絞り込みをおこなう方法です。
前者の場合、ターゲティング時に広告媒体社が保有するサードパーティCookieに記録されたデータ(閲覧履歴や興味関心を推測できる情報)を利用することがありますが、Cookie利用が規制された場合、この方法が使えなくなってしまいます。
▼関連記事 ターゲティング広告について
リマーケティング広告の制限
さらに、リマーケティング(リターゲティング)広告の配信にも制限がかかります。
リマーケティングとは、一度自社のサイトに訪れたユーザーを追跡して広告を配信する手法のこと。
これにはサードパーティCookieの存在がかかせません(Webサイト訪問時に付与したCookieをもとに追跡する)。
認知の定着、コンバージョンの促進などに便利なリマーケティング広告ですが、今後はリマーケティングに頼らない広告配信の戦略を組み立てる必要があります。
▼関連記事 リマーケティング広告について
Googleアナリティクスの計測精度の低下
Cookieが利用できなくなることによって、正確なデータ計測ができなくなることが懸念されます。
現にiOSでは、Safariユーザーのデータが蓄積できなくなっています。
これはITP(Intelligent Tracking Prevention)というトラッキング防止機能によってCookieの利用が制限されるため。
実際のコンバージョンとGoogleアナリティクスの数値の間で差異が出るなど、計測の精度が低下してしまいます。
Cookie規制への対策
最後にCookie規制への対抗策を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- Cookieに頼らない(クッキーレス)広告を利用する
- 広告以外の集客施策を導入する
- GA4を導入する
Cookieに頼らない(クッキーレス)広告を利用する
Cookieの利用が規制されるのであれば、Cookieに頼らない広告配信をおこなうしかありません。
以下の2つはCookieを使わない広告手法です。
- コンテキストターゲティング
- Googleファインド広告
コンテキストターゲティング
コンテキストとは「文脈」を意味する単語です。
コンテキストターゲティングでは、Webサイトのコンテンツ(文章・画像)をAIで解析し、その文脈にマッチした広告を表示する手法です。
Cookieを使わずに、サイトを閲覧している人が興味を持ちそうな広告を配信することができます。
Googleファインド広告
Googleファインド広告とは、Googleが保有するサービス(Gmail、YouTubeなど)内の広告枠に配信できる画像・動画広告のこと。
Google内の検索・閲覧履歴のデータを使用するため、Cookieを使用しなくても、興味関心の高いユーザーを高い精度で狙うことができます。
▼関連記事 Googleファインド広告について
広告以外の集客施策を導入する
広告以外の方法で集客を図るのも一つの手です。
例を挙げるとすれば、コンテンツSEOやSNS運用など。
自社に適した方法を用いれば、大幅な認知拡大・流入の増加を実現することも可能です。
▼関連記事 コンテンツSEOとは?
▼関連記事 SNS運用について
GA4を導入する
GA4(Google Analytics 4)は、Googleが提供する最新のアクセス解析ツール。
Cookie、IPアドレスなどのユーザー情報に頼らない方法でデータを収集できます。
特に重要な点として、Google アナリティクス 4 は IP アドレスを保存しません。データのプライバシーを取り巻く今日の世界的な状況では、プライバシー保護とユーザーデータ管理に対してユーザーの期待する水準が上がっているため、特にこうしたソリューションとコントロールが必要になります。
(出典:Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: Google アナリティクス 4 でこれからに備えましょう)
具体的な使い方については以下の記事を見てみてください。
▼関連記事 GA4(Google Analytics 4)とは?
まとめ
今回は広告におけるCookie規制の影響について解説しました。
今後もますます進んでいくと思われるプライバシー保護の強化。
Cookieに頼らない広告配信を、今のうちから計画しておくことをおすすめします。
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