GA4のしきい値とは?適用条件や回避方法をわかりやすく解説
公開日:2024年11月13日
分析データに影響するGA4のしきい値問題。
本記事では、Web担当者がつまずきがちなGA4のしきい値について、その仕組みから具体的な対処法まで、実務で使える知識をわかりやすく解説していきます。
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GA4のしきい値とは?わかりやすく解説
GA4(Google Analytics 4)のしきい値はユーザーのプライバシー保護を目的として適用されるもの。
しきい値が適用されると、特定の条件下ではレポートのデータが非表示になる、もしくは集計値として表示されることがあり、正確なデータの確認が難しくなる場合があります。
GA4でしきい値が適用されるのは、個人を特定できる可能性のあるデータを保護する重要な機能です。
レポートまたはデータ探索のデータへのアクセスが制限されている場合、データのしきい値が適用されている可能性があります。データのしきい値は、レポートやデータ探索を閲覧する際、データに含まれるシグナル(ユーザー属性、インタレストなど)から個別ユーザーの身元または機密情報を推測できないようにするために設けられています。
(出典:[GA4] データのしきい値について - アナリティクス ヘルプ)
なぜしきい値が適用されるのか
しきい値が適用される主な理由はユーザーのプライバシー保護にあります。
例えば、特定の地域や年齢層のユーザーが極端に少ない場合、そのデータから個人が特定される可能性があるためです。これはEUのGDPRをはじめとする世界各国のプライバシー保護法制に対応するためのGoogleの取り組みの一環といえるでしょう。
設定でしきい値を回避できるか
結論からお伝えすると、GA4のしきい値自体を設定変更によって直接に無効化する機能はありません。
これはGoogleがプライバシー保護のために強制的に適用している仕組みだから致し方ないところ。ただし、後述する方法による対策は可能です。
GA4でしきい値が適用される条件
GA4のしきい値が適用される条件について、3つのケースを詳しく見ていきましょう。
Googleシグナルが有効の場合
Googleシグナルはユーザーの詳細な属性データを収集する機能で、この機能が有効になっているとしきい値が適用される可能性が高くなります。
年齢や性別、興味関心データなど個人の特定につながりかねないデータを扱う場合はしきい値を適用することでプライバシー保護をおこなっているのですね。
レポートにユーザー属性データが含まれる場合
ユーザー属性データが含まれるレポートやAPIではしきい値が適用される可能性があります。これは、位置情報やデバイス情報、年齢、性別などから個人を特定できる情報を保護するためです。
- 位置情報
- デバイス情報
- ブラウザ種別
- 言語設定
- 年齢
- 性別
- 興味関心
レポートに検索語句が含まれる場合
サイト内検索の語句や広告からの流入キーワードなど、ユーザーの具体的な行動を反映するデータにはしきい値が適用されることがあります。これは、検索語句にユーザーの意図や興味が直接反映されるため、少数のデータから個人を特定できるリスクを軽減するためです。
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しきい値がGA4レポートに適用されているかを確認する方法
レポートや探索を確認する際、データにしきい値が適用されているかはオレンジ色のアイコンの表示によって判別できます。
アイコンをクリックすることで「しきい値を適用しました」という表示を確認することが可能です。
しきい値が適用されていない場合は下記図のような緑色のアイコンが表示されます。
GA4のしきい値を回避する方法
ここからはGA4のしきい値を回避する方法について考えていきましょう。それぞれの方法にはメリット・デメリットがありますので、サイトの状況に応じて最適な方法を選択してくださいね。
Googleシグナルを無効に設定する
最も簡単な対策方法として、Googleシグナルを無効化する手順があります。これにより、しきい値の適用を回避することができますが、同時に一部の機能が制限される点には注意が必要です。
Googleシグナルを無効化するとしきい値適用を回避できるメリットがある反面、ユーザー属性データの分析が出来なくなったり、Google広告とGA4を連携したリマーケティングが出来なくなったりとデメリットもあるため、これらを考慮して判断しましょう。
Googleシグナルを無効にする手順は以下の通り。
- GA4の管理画面を開く
- 「データの収集と修正」の「データ収集」を選択する
- 「Googleシグナル」のトグルをオフに変更する
下記図はGoogleシグナルが有効になっている画面例です。ここをクリックするとトグルがオフに切り替わります。
レポートからユーザー属性データを除外する
レポートを表示する際は必要最小限のデータのみを含めるようにしましょう。これにより、しきい値の影響を最小限に抑えることができます。
例えば年齢や性別などのデータを使用しない場合はレポートに含めないようにする、正確なセッション数を確認したい場合は「総ユーザー数」や「新規ユーザー数」などのユーザー数指標を含めないようにする、このように不要なデータを除外することでしきい値の適用を回避できるケースがあります。
以下の探索レポートは「インタレストカテゴリ」をディメンションに設定し、しきい値が適用された例です。
同じプロパティ、同じ対象期間で、ディメンションを「国」へ変更するとしきい値の適用が外れました。
このように、レポートに含まれるデータ項目が影響している場合は使用するディメンションや指標を見直すことでしきい値の適用を回避できるケースがあります。
レポートの対象ユーザー数を増やす
データ収集期間を延長したり、セグメントの条件を緩和したりすることで、データに含まれる対象ユーザー数を増やすことによってしきい値の適用を回避できる場合があります。
しきい値は個人を特定できないようプライバシー保護目的で適用されるため、取り扱うデータが少なくなるほど特定リスクが高まり、しきい値が適用されやすくなるもの。
そのため、対象データを増やすことでしきい値の適用を回避できるのです。
レポートの期間を延長するとデータ量が増えますし、日別データ表示を月別データ表示へ切り替えることで各指標の該当データも増えますよね。このようにデータの表示設定を変更することで対象ユーザー数を増やすことも有効なのです。
GA4のしきい値と回避策のまとめ
GA4のしきい値はプライバシー保護の観点で必要なもの。完全な回避は難しいものの、適切な対策によってより正確なデータ分析が可能となります。状況に応じて最適な方法を選択し、効果的なデータ活用を目指しましょう。
GA4分析の基本となるレポートの使い方についてはこちらの「GA4レポート活用の基本マニュアル」を参考にしてみてくださいね。
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