GA4で外部リンクのクリック数を計測・分析する方法
公開日:2024年12月04日
Webページの分析に活用したい外部リンクのクリック数計測。
本記事はGA4を使って外部リンクのクリック数を正確に把握し、効果的にデータ活用する方法を解説します。
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GA4で外部リンクのクリック数を計測する前に知っておきたい基礎知識
GA4(Google Analytics 4)で外部リンクのクリック数を計測すると、サイトからどのタイミングで外部サイトへ離脱しているのか、どの外部リンクが多くクリックされているかを把握できるようになります。
外部リンクは後述する簡単な設定だけでクリックの計測が可能。
GA4では自動的にリンククリックのイベントを収集できる機能が標準で提供されています。
外部リンクのクリック数を計測する目的とメリット
外部リンクのクリック数を計測する主な目的を3つご紹介します。
- ユーザーの興味関心が高いコンテンツの特定
- アフィリエイトリンクやバナー広告の効果測定
- 計測データに基づいたコンテンツマーケティングの改善
GA4の計測タグをWebページへ設置すると、ページの表示回数や流入経路、エンゲージメント時間などの分析に役立つデータを計測できます。しかしこれらのデータだけでは、外部リンクのクリックデータを得られないため評価ができません。
外部リンクのクリックデータを計測することで各外部リンクをデータに基づいて適切に評価できるため、クリック数は重要な指標となります。
GA4でできることとできないこと
外部リンクのクリック計測に関して、GA4では以下のような機能が提供されています。できることとできないことを正しく理解しておきましょう。
機能項目 |
GA4での対応可否と詳細 |
外部リンクの自動検出 |
○(拡張計測機能で自動的に外部リンクを識別可能) |
クリック情報の取得 |
○(リンクURL、クリックした要素のクラス名などを取得可能) |
クリック後の遷移先での行動追跡 |
×(外部サイトでの行動は計測不可) |
GA4には外部リンクの自動検出機能があります。
ドメインが異なるリンクを自動的に識別し、外部クリックイベントとして記録してくれるので便利ですね。ただし、外部サイトへ遷移した後のユーザー行動は追跡できない点にご注意ください。
GA4の拡張機能で外部リンクのクリック数を計測する方法
GA4での外部リンククリック計測は拡張計測機能を有効にするのみ。この設定は管理画面から簡単におこなえるため、技術的な知識は不要です。
手順は以下の通り。
- GA4の管理画面にアクセス
- 「データストリーム」を選択
- 対象のストリームをクリック
- 「拡張計測機能」を有効化し、「離脱クリック」をオンにして保存
拡張機能で計測できるのは「離脱クリック」イベント
GA4の拡張機能で自動収集される外部リンククリックは、「click」(離脱クリック)イベントとして記録されます。
離脱クリックは、ウェブサイトを訪問したユーザーが別のウェブサイトに移動するリンクをクリックした場合に発生します。
(出典:[GA4] ウェブサイトでの離脱クリックを測定する - アナリティクス ヘルプ)
このイベントにはパラメータによって以下のディメンションが計測されることで、クリックされたリンクのURLやクリックが発生したページのパスなどの詳細な情報を得られます。
- リンクのクラス(link_classes)
- リンクドメイン(link_domain )
- リンク ID(link_id)
- リンク URL(link_url)
- アウトバウンド(outbound)
GA4で外部リンクのクリック数を確認する手順
収集したクリックデータはGA4の探索レポート機能を使って確認します。
レポートの変数エリアにあるディメンション欄へリンク関連の項目を追加しましょう。
以下の図は、外部リンクをクリックしたユーザー数をリンク先URL別に表示した例。
▼設定内容
ディメンション:リンク先URL
指標:総ユーザー数
このように計測した外部クリックデータをディメンションと指標でかけ合わせて表示させることでレポート分析をおこなえます。
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カスタムイベントで外部リンククリックをキーイベント計測する方法
外部リンククリックがWebサイトのゴールとなる場合は、キーイベント(コンバージョン)として計測する設定がおすすめです。
カスタムイベントの作成手順
ここではGA4の管理画面からカスタムイベントを作成する手順をご紹介します。
手順は以下の通り。
- GA4の管理画面にアクセス
- 「イベント」をクリック
- 「イベントを作成」をクリック
- 「作成」をクリック
- カスタムイベントの条件を指定して「作成」をクリック
以下の図では、作成するカスタムイベント名を「Click_Outbound_samplejp」とし、パラメータ「link_url」に「sample.jp」を含むclickイベントが発生した際に計測されるよう設定した例です。
例えばsample.jp内のページへ送客することがWebサイトのゴールであれば、このようなカスタムイベントを計測することで送客データの取得ができますね。
以上の設定で、指定条件を満たす外部リンククリックをカスタムイベントとして計測できるようになります。
キーイベント(コンバージョン)に設定する方法
次に、先ほど計測設定したカスタムイベントをキーイベント(コンバージョン)として設定する方法をご紹介します。
設定手順は以下の通り。
- GA4の管理画面で「キーイベント」を選択
- 「新しいキーイベント」をクリック
- 「イベント名」を入力 ※上記例では「Click_Outbound_samplejp」
- 「保存」をクリック
- キーイベント一覧画面から「キーイベントとしてマークを付ける」トグルを有効化
新しく登録したイベント名がキーイベント一覧に表示されるまでにタイムラグが出る場合があるため、その場合は時間をおいてチェックしてみてくださいね。
これらの設定が終わると今後発生する該当イベントがキーイベントとして計測されるようになります。
外部リンクのクリックデータ活用法
収集したクリックデータは様々な方法で活用できます。
ここでは具体的な活用方法を見ていきましょう。
ユーザー行動分析におけるクリックデータの活用
外部リンクのクリックデータはユーザーの興味関心や行動パターンを理解する重要な指標となります。
例えば、どのようなコンテンツから外部リンクがクリックされやすいのか、どの時間帯にクリックが多いのかなどデータから得られる気づきがあります。
探索レポートのセグメント機能を使えば、外部リンクをクリックしたユーザーとクリックしていないユーザーで比較することも可能。
どのようなユーザーが外部リンクを多くクリックしているかの仮説を立て、実際の計測データを検証することで仮説が正しいかを確認できたり、意外なユーザー像の発見につながったり、クリックデータを活かして分析しましょう。
外部リンククリックデータを活用した施策検討
外部リンクのクリックデータにはWebサイトへ訪問したユーザーの能動的な行動が表れます。
リンクの掲載箇所、掲載方法、掲載先のページコンテンツなどを踏まえ、クリックデータをページ改善に活かしましょう。
例えば以下のような施策に活用できます。
- クリックされやすいリンク先からユーザーニーズを特定してコンテンツを改善
- クリック率の低い外部リンクの配置や文言表現の改善
- 離脱を防ぎたい箇所での外部リンク誘導弱化による導線最適化
GA4で外部リンクのクリック数を計測する方法のまとめ
GA4で外部リンクのクリック数を計測する方法をご紹介しました。適切な設定と定期的なデータ分析によってサイトの改善に取り組んでいきましょう。
外部リンクのクリック計測データをGA4で分析する際はこちらの「GA4レポート活用の基本マニュアル」も参考に、レポート機能を活用してみてくださいね。
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