GA4のCVR(コンバージョン率)が表示されない?原因と対処法を解説
更新日:2025年02月27日
Webサイトの成果指標として重要なコンバージョン率(CVR)。
本記事ではGA4でCVRが正しく表示されない原因と具体的な解決方法を詳しく解説します。
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GA4のCVR(コンバージョン率)を確認する最も簡単な方法
はじめに、GA4のCVR(コンバージョン率)を確認したい方向けに、最も簡単な確認手順例を先にご紹介します。
- GA4の「レポート」を表示する
- 「ライフサイクル」の「エンゲージメント」から「ランディングページ」を表示する
- 表の「セッション キーイベント率」欄を確認する
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もしこの手順でCVRが表示されない、数値が0の場合は後述する原因や対処法をご覧ください。
GA4におけるCVRの定義
コンバージョンは各サービスで定義が異なるため、はじめにGA4におけるコンバージョンの定義を確認し、CVR計測への理解を深めておきましょう。
GA4ではコンバージョンの概念が従来のユニバーサルアナリティクス(UA)から変更されましたので、新しい仕組みを理解することが正確なCVR計測の第一歩となります。
GA4の指標名は「コンバージョン=キーイベント」「CVR=キーイベント率」
GA4ではコンバージョン指標を「キーイベント」として扱います。
キーイベントはビジネス目標の達成に直結する重要なイベントのこと。
例えば、ECサイトでの商品購入、コーポレートサイトでの資料請求フォームの送信、メールマガジンの登録などが該当します。GA4では、これらの重要なユーザーアクションを「キーイベント」として設定し、その発生回数や割合を追跡します。
キーイベントとは、ビジネスの成果にとって特に重要なアクションを測定するイベントのことです。ユーザーがアクションを実施してイベントをトリガーすると、そのアクションはキーイベントとして Google アナリティクスに記録され、Google アナリティクスのレポートに表示されます。
(出典:[GA4] キーイベントについて - アナリティクス ヘルプ)
コンバージョンではなくキーイベントという指標で扱われるGA4では、CVRも同様に「キーイベント率」として扱われます。
但し、当初はGA4でもコンバージョンと表現されていたことや、各種ドキュメントではマーケティング用語としてコンバージョンと表現される場面がある点も頭の片隅に置いておきましょう。
計測イベントから選んでキーイベントへ設定可能
GA4でCVRを表示させるためには、まずキーイベントの設定からおこないます。
既に収集している任意のイベントの中で、CVRを表示させたい対象イベントを選定し、キーイベント(コンバージョン)として設定しましょう。
設定手順は以下の通りです。
- GA4の「管理」から「イベント」を表示する
- 既存のイベント一覧から、キーイベントとして設定したいものを選ぶ
- 該当イベントの「キーイベントとしてマークを付ける」を有効化する
GA4でのコンバージョン率(CVR)とは?
GA4におけるCVR=キーイベント率という定義を踏まえ、ここからはCVRの計算方法について見ていきましょう。
CVRの基本的な定義と計算方法
GA4で用意されているCVR指標は以下の2種類。
- セッションキーイベント率
- ユーザーキーイベント率
それぞれの計算式は以下の通りです。
セッションキーイベント率
=キーイベントが発生したセッションの数 ÷ セッションの総数
ユーザーキーイベント率
=キーイベントアクションを行ったユーザー数÷ユーザーの合計数
また、GA4では同一セッション内で複数回のキーイベントが発生した際に、キーイベントが発生する度にカウントするか、セッション内で1回のみカウントするかを選択できるようになりました。
設定を変更したい場合は、GA4の「管理」→「キーイベント」からキーイベント一覧を表示し、対象キーイベントの右端にある「⋮」をクリックして「カウント方法を変更」をクリックします。
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現在のカウント方法が表示されます。変更したい場合は変更後のカウント方法を選択して「保存」をクリックしましょう。

尚、GA4のヘルプページではセッションキーイベント率を以下のように説明しています。
コンバージョンが発生したセッションの割合。セッションのキーイベント率 = キーイベントが発生したセッションの数 ÷ セッションの総数
(出典:[GA4] アナリティクスのディメンションと指標 - アナリティクス ヘルプ)
ユーザーキーイベント率は以下のように説明しています。
コンバージョンに至ったユーザーの割合。この指標は、キーイベント アクションを行ったユーザーの数をユーザーの合計数で割って算出されます。
(出典:[GA4] アナリティクスのディメンションと指標 - アナリティクス ヘルプ)
旧Googleアナリティクス(UA)との違い
UAでは全体のCVRを「コンバージョン率」として表現していましたので、指標名が変更になっています。
また、同一セッション内で複数回コンバージョンが発生した場合でも1回としてカウントされる仕様(eコマースの購入を除く)のため、GA4でキーイベント発生の度にカウントする場合とは計測数が異なるためCVRも差が出ます。
もしUA計測時と比べてGA4でCVRが高くなった場合は、この計測仕様の違いによる影響の可能性があります。
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GA4でCVRが表示されない・計測されない原因と対処法
GA4でCVR(セッションキーイベント率やユーザーキーイベント率)が正しく表示されない場合、いくつか考えられる原因があります。それぞれの原因と具体的な対処方法を見ていきましょう。
設定したコンバージョンイベントが反映されていない
新しく設定したコンバージョンイベントは、設定後すぐには反映されないことがあります。GA4ではデータの処理に24〜48時間程度かかることがあるからです。
以下の点も確認しましょう。
- イベントが正しく設定され、キーイベントとしてマークされているか
- 設定後、十分な時間が経過しているか
- テストモードで正しくイベントが発火しているか
キーイベントが正しく設定されていない
キーイベントの設定に問題があり、キーイベントが計測できなければ当然CVRも表示されません。
もしまだキーイベントを設定していなかったり、設定しても上手く計測できない場合は、GA4のコンバージョン設定を解説した記事を参考にしてみてくださいね。
Googleタグマネージャー(GTM)の設定ミス
GTMを使用している場合、トリガーやタグの設定ミスでキーイベントが計測できず、CVRも表示されていない可能性があります。
- GA4設定タグが正しく設定されているか
- イベントトリガーが適切に設定されているか
- プレビューモードでイベントが正しく発火するか
GA4のデータ処理に時間がかかっている
GA4ではデータの収集から処理、表示までに一定の時間がかかります。
特に以下の場合はさらに時間を要することがあるため、時間を置いて再度確認してみましょう。
- 新しいプロパティの作成直後
- 大規模なイベント設定の変更後
- データ量が多い場合
探索レポートの設定ミス
探索レポートでCVRを表示させたい場合に、設定ミスによってCVRが正しく表示されないことがあります。
以下の設定を確認してください。
- 指標に正しくCVR指標を設定しているか
- 日付範囲が適切に設定されているか
- セグメントやフィルタの条件が適切か
- スコープ(イベントやセッション)が適切か
GA4のCVR(コンバージョン率)表示まとめ
GA4でCVRを確認するには適切な設定と正しい理解が必要です。
キーイベントの計測や設定から、GTMとの連携やデータ処理の特性まで様々な要素が関係します。問題が発生した場合は本記事で解説した各チェックポイントを確認して対処してください。
GA4の基本的な各種レポート画面の使い方についてはこちらの「GA4レポート活用の基本マニュアル」も参考にしてみてくださいね。
アクセス解析に欠かせない
GA4レポート活用の基本
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