GA4のユーザー属性が見れない時の対処法と探索レポート分析
GA4ユーザー属性の活用で変わるデータ分析の景色。
本記事ではGA4のユーザー属性の基本からデータが見れない時の対処法、さらに探索レポートを使った分析方法までを詳しく解説していきます。
GA4のユーザー属性とは?
GA4のユーザー属性は、Webサイトを訪問するユーザーの年齢、性別、地域、興味・関心などの情報をGoogleのデータをもとに推定し、分析するためのデータです。このユーザー属性のデータを活用することで「どのような人がサイトを訪れているのか」を理解でき、マーケティング分析に役立てることができますね。
Googleアカウントにログインしているユーザーの情報をもとにした推定値であるため、実際の訪問者の属性と完全に一致するわけではありませんが、GA4でユーザー属性データを確認することで、想定していたターゲット層とは異なる層がサイトを訪問していることがわかり、コンテンツ戦略の見直しにつながることも。想定通りであれば現在の集客施策で意図したターゲット層へリーチできている状況の確認にもなります。
GA4で利用できるユーザー属性の種類
GA4で確認できる主なユーザー属性は以下の4項目。
- 年齢:18-24歳、25-34歳などの年齢層
- 性別:男性、女性、不明
- 地域:国や都市レベルでの地理的分布、言語
- 興味・関心:アパレル、テクノロジー、旅行など、ユーザーの興味があるカテゴリ
GA4のユーザー属性の中で興味関心データは「インタレストカテゴリ」というディメンション名で、Googleシグナルを有効にするとデータ取得できる項目の一つです。
ユーザーの興味や関心(アート、エンターテイメント、ゲーム、スポーツなど)。ユーザーは複数のインタレスト カテゴリでカウントできます。これは、Google 広告のアフィニティ セグメントと同じ概念です。
ユニバーサルアナリティクス(UA)との違い
以前のUA(ユニバーサルアナリティクス)と比較すると、GA4のユーザー属性には違いがいくつかあります。
項目 | GA4とUAの違い |
データ収集方法 | UAは主にcookieベース、GA4はイベントベースでデータを収集 |
データのしきい値 | GA4ではプライバシー保護のためしきい値が設けられた |
カスタマイズ性 | GA4では探索レポートでより詳細な分析が可能 |
プライバシー保護への対応の一環でGA4では後述するGoogleシグナルの有効化をユーザーが選択できるようになり、個別ユーザーの身元や機密情報を推測できないようにするために設けられた「しきい値」によるデータ保護は特に大きな違いでしょう。
GA4でユーザー属性データを標準レポートで確認する方法
GA4でユーザー属性データを確認するには、主に2つの標準レポートがあります。
全体像を確認するならユーザー内の「概要」、より詳細なデータを確認できる「ユーザー属性の詳細」です。これらを使い分けることで手軽にユーザー属性の確認ができますよ。
それぞれの画面は「レポート」→「ユーザー」からアクセスできます。例えば、「概要」レポートは以下の図から確認が可能です。
「概要」レポートの見方
「概要」レポートでは訪問ユーザーの年齢、性別、地域、興味・関心などの基本的な分布が円グラフや棒グラフで表示されます。
この画面はダッシュボードとしてユーザー属性データの全体概要を把握しやすいよう視覚的に工夫された画面で、詳細データを確認したい場合はグラフや表の右下にあるテキストリンクをクリックすると画面が遷移します。
「ユーザー属性の詳細」レポートの見方
より詳細な分析をおこないたい場合は、「ユーザー属性の詳細」レポートを活用しましょう。
このレポートでは、ユーザー属性データのディメンション軸で、新規ユーザー数やエンゲージメント率など様々な指標を確認可能。ディメンションは切り替え可能で、年齢・性別・地域などの項目へ変更した表を表示してユーザー属性データを確認できます。
特定のデータ項目を詳しく調べたい場合は概要レポートよりも便利ですね。
GA4のユーザー属性データが見れない時の原因と対処法
GA4では「ユーザー属性データが表示されない」という問題に直面することがあります。UAからGA4へ移行した当初は弊社でも戸惑うことがありましたが、調査する中でいくつかの原因と対処法があることがわかりました。
ここでは主な3つの原因と解決方法をご紹介します。
原因1.Googleシグナルが有効化されていない
ユーザー属性データが見れないよくある原因は、「Googleシグナル」が有効化されていないこと。
Googleシグナルは、Googleアカウントでログインしているユーザーの属性データを収集する機能で、これが無効だとユーザー属性のデータが収集されません。
Googleシグナルの有効化は以下の手順でおこなえます。
- GA4の管理画面にアクセス
- 左メニューの「管理」をクリック
- 「データの収集」をクリック
- 「Google シグナルのデータ収集」を有効化
原因2.データのしきい値が適用されている
GA4はユーザーのプライバシー保護の観点から、一定の「しきい値」を下回るデータは表示されないようになっています。つまり、十分なサンプル数がないとユーザー属性データが表示されない可能性があるということ。
ユーザー属性データに適用されるしきい値を回避するには、データの対象期間を伸ばすことデータサンプル数を増やしたり、細かくセグメントを切って分析している場合はセグメントを広げる対策が有効です。また、ユーザー属性データ分析ではなく、ユーザーデータが不要な場合はこれらを含めないことでしきい値適用を回避可能です。
原因3.「Unknown」と表示される理由
GA4のユーザー属性レポートで「Unknown(不明)」と表示されるケースもあります。
ユーザー属性を特定するための十分な情報を得られなかった場合に表示され、ユーザーがGoogleアカウントにログインしていなかったり、Cookieの使用を拒否しているなど、GA4でデータ取得できなかったということです。
探索レポートでユーザー属性を分析する方法
GA4の「探索」を使うと、ユーザー属性データをより詳細に分析することができます。
探索レポートは自由度の高いカスタムレポートを作成できる機能で、任意のディメンションと指標を組み合わせたり、セグメントで切ったり、フィルタで絞り込んだりと、標準レポートよりも詳細なデータ分析が可能です。
探索レポートでユーザー属性を分析する基本的な手順は以下の通り。探索の使い方はGA4レポート活用の基本マニュアルもぜひご活用ください。
- GA4の管理画面から「探索」をクリック
- 「空白」をクリック
- 左側の「変数」タブで、「ディメンション」に分析したいユーザー属性(年齢、性別など)を追加
- 「指標」に分析したい指標(セッション数、コンバージョン率など)を追加
- 右側の「行」と「値」にディメンションと指標をセット
- その他項目(期間やフィルタなど)を設定
使い慣れない内は難しそうに感じるかもしれませんが、探索は慣れると便利でGA4分析には欠かせない機能となります。ユーザー属性以外の分析にも積極的に活用していきましょう。
GA4のユーザー属性まとめ
本記事ではGA4のユーザー属性データについてご紹介しました。
GA4特有のデータ計測仕様が関わるためデータが表示されないケースがあるように前提知識が必要な場面もありますが、ユーザー属性データを計測するための設定をおこなった上で、得られたデータの分析にGA4を活用してきましょう。
GA4の基本的な各種レポート画面の使い方についてはこちらの「GA4レポート活用の基本マニュアル」も参考にしてみてくださいね。
アクセス解析に欠かせない
GA4レポート活用の基本
Googleのアクセス解析ツールとして15年振りに登場した次世代バージョンのGA4。
GA4を導入される企業様は増えていますが、導入したは良いももの使い方が分からずお困りのWeb担当者様も少なくありません。そこでGA4のアクセスデータを見るために必要な「レポート」と「探索」の機能に特化して使い方を解説した資料をご用意しました。
・レポートの主な画面
・カスタマイズしたレポート画面の設定方法
・探索の使い方
・ページ別の指標を確認する方法
・ランディングページ別の指標を確認する方法
・旧GAのユーザー概要を再現する方法
GA4を活用してアクセス解析をおこなう際にぜひご活用ください。