GA4(Google Analytics 4)とは?UAとの違いや導入方法をわかりやすく解説
更新日:2024年08月15日
UA(ユニバーサルアナリティクス)が終了し、現在提供されているGA4(Google Analytics 4)。
本記事ではGA4とは何か、UAとの違いやGA4対応の進め方をご紹介します。
>>これだけはやっておきたい!GA4初期設定マニュアルをダウンロードする
GA4(Google Analytics 4)とは
GA4とは「Googleアナリティクス4プロパティ」の略称で、Google社が提供するアクセス解析ツールです。
GA4は、Webサイト管理者が長く親しんできたユニバーサルアナリティクス(UA)の次世代バージョンにあたるGoogleアナリティクスです。
”次世代”とはいえ、部分的な機能追加の範疇ではなく、もはや別物ともいえるぐらい大きく異なるGA4。UAとはプロダクトの考え方が根本的に異なります。
GA4とは、UAと全く別物のアクセス解析ツール、このように考えるべきツールなのです。
GA4とUAとは何が違うのか?両者の違いを比較
初めにGA4とUAの大きな違いを3項目で比較した以下の表をご覧ください。
UAからGA4に移行して何が変わったのか?GA4とはUAから何が進化したものなのか?と考えるよりも、別のアクセス解析ツールと割り切って考えた方が賢明なのです。
項目 |
次世代のGA4 |
従来のUA |
計測対象 |
Webサイト+アプリ |
Webサイトのみ |
デバイス |
マルチデバイス対応 |
デスクトップPCを想定 |
計測方法 |
イベントベース |
Cookieベース |
細かい仕様を挙げるときりが無いぐらいの違いがありますが、ここではGoogle公式ドキュメントを引用しながら根本的な違い、GA4とはどういうものか、UAからGA4へ移行した背景を見ていきましょう。
ユーザー中心の測定へ
UAではパソコンやスマホのブラウザ単位でデータ計測をおこなってきました。
しかし、現代ではパソコン、スマホ、タブレットなど、一人のユーザーが複数のデバイスでWebサイト閲覧をおこなうライフスタイルが定着したことで、ブラウザ単位の計測は時代に合わない状況に。
そこでGA4(Google アナリティクス 4)では異なるデバイスからのアクセスでも同一ユーザーとして計測できる設計に見直され、アクセス解析データの中心にユーザーが存在するようになりました。
サイトとアプリを行き来するユーザー ジャーニーを包括的に把握できるほか、Google の機械学習テクノロジーを使って新たなインサイトを浮き彫りにしたり、予測したりすることができます。そして何より、Google アナリティクス 4 は変わり続けるエコシステムに後れを取らずについていけるように構築されています。
(出典:Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: Google アナリティクス 4 でこれからに備えましょう)
GA4とは、ユーザー中心のデータ測定に対応したアナリティクスなのです。
ユーザーのプライバシーへ配慮した設計へ
Googleアナリティクス4は”プライバシーを中核に設計している”と明言されています。
特に重要な点として、Google アナリティクス 4 は IP アドレスを保存しません。データのプライバシーを取り巻く今日の世界的な状況では、プライバシー保護とユーザーデータ管理に対してユーザーの期待する水準が上がっているため、特にこうしたソリューションとコントロールが必要になります。
(出典:Google マーケティング プラットフォーム 日本版 公式ブログ: Google アナリティクス 4 でこれからに備えましょう)
日本国内よりもプライバシー保護が厳しい英語圏の動向を考慮すると必然ともいえる設計でしょう。GA4を利用するWeb担当者とユーザー双方が期待するプライバシー保護の取り組みに対応した変更です。
GA4とは、個人情報保護の必要性に対応しながらデータ計測をおこなうアナリティクスと言えますね。
イベント計測が管理画面から設定可能に
従来のUAではイベント計測を追加する際にGTMを利用したり、計測用コードを直接ページへ記述する必要がありました。しかし、GA4では多くのイベントを管理画面内から計測設定できるようになりました。
イベントベースでの計測になったGA4。計測するべきイベントの精査や計測データの可視化に手がかかるGA4ですが、一方で計測したいイベントの設定はむしろ手軽にできるようになっています。
GA4とは、使い慣れると簡単にイベント計測ができて便利なアナリティクスです。
GA4(Googleアナリティクス4)の導入方法
ここからはGA4の導入方法を見てみましょう。このパートではGoogleアナリティクスのアカウント開設からGA4の計測タグ設置までの手順に特化して解説していきます。
GA4導入までのアウトラインは下記の通りです。
- GA4のアカウント作成・プロパティ作成
- Google Tag Manager(GTM)のアカウント作成
- Google Tag Manager(GTM)でGA4の計測タグを設置
- GA4の初期設定
図解で詳しく手順を掲載しているGA4初期設定マニュアルもぜひご活用ください。
GA4のアカウントとプロパティを作成する
下記URLからGoogleアナリティクスのアカウントを開設し、左サイドメニュー下部「管理」をクリック、プロパティ列にある「+プロパティを作成」をクリックします。
Webサイト名やURLなど、画面に従って入力していきましょう。
Googleアナリティクス4の新規アカウント開設はこちら
GA4のトラッキングコードはどこにある?
「タグマネージャーでGA4とイベントの計測を設定する全手順」を参考にGoogleタグマネージャーで計測設定することをおすすめしていますが、Googleアナリティクス4のトラッキングコードを直接Webサイトへ設置して計測する方法もあります。
Googleアナリティクス4のトラッキングコードを取得する場合は、「管理」→「データ ストリーム」→対象データストリームをクリックします。
次に「タグの実装手順を表示する」からトラッキングコードを取得し、計測対象となる全てのページの<head>内へ設置しましょう。
Google Tag Manager(GTM)の設定
Google Tag Manager(GTM)はGoogleが提供している無料のタグ管理ツールです。
UAと同様にGA4もアナリティクス管理画面内から計測タグを取得し、直接Webサイトへ設置することは可能。しかし、GA4では計測したいデータに応じてタグの設定が必要になる場面が多いため、GTMを利用して計測タグを設置することをおすすめします。
Google Tag Managerのアカウント(開設またはログイン)はこちら
測定IDとトラッキングIDの違い、確認方法
Google Tag Managerを使ってGoogleアナリティクス4の計測をおこなうには、Googleアナリティクス4が発行するIDをGoogle Tag Managerへ設定して紐付けする必要があります。
その際に使用する測定IDとトラッキングIDの違いは以下の通り。
測定ID・・・GA4で計測する際に使用するID
トラッキングID・・・UAで計測する際に使用するID
GA4の測定IDは、管理画面のプロパティ欄「データストリーム」の画面から取得ができます。
GA4初期設定後にやるべきたった1つのこととは?
計測タグを設置すると汎用的な各種データの計測が開始されたUAとは異なり、GA4では計測したいデータに応じた設定が必要です。
そこで重要になるのが、自社で計測が必要なデータは何かを整理する工程。
GA4は出来ることが増えたと同時に、”必要な設定作業”も増えました。だからこそ検討したいのが「自社に必要なデータは何で、不要なデータは何か?」ということ。
不要なデータの計測に工数を割くのは本末転倒のため、GA4で計測を開始するタイミングで不要なデータ計測の除外検討を推奨します。
GA4でむやみにあれこれ設定作業をおこなっていては非効率で、キリがありません。GA4の計測データはイベント単位、「点」を収集するようなもの。その後「点」と「点」をつないでどのような「線」や「面」や「立体」を見たいのかを事前に整理し、計測に必要なデータを明確にしましょう。
これらの工程が終わると、GA4の初期設定と計測データの活用へと進みます。GA4の使い方も学び、使いながら少しずつ慣れていきましょう。
GA4に関するよくある質問
最後にGA4に関するよくある質問にお答えしていきます。今後もGA4に関する最新情報やご質問内容に応じて随時更新していきます。
Q.Googleサーチコンソールと連携できますか?
A.はい、連携機能があります。連携手順はGA4初期設定マニュアルをごらんください。
Q.社内アクセスを計測したくないのですが、IP除外設定はできますか?
A.はい、内部トラフィックルールの作成からIP除外を設定できます。設定手順はGA4初期設定マニュアルをごらんください。
Q.Googleアナリティクス(UA)はいつまで使えますか?
A.2023年7月1日にデータ計測が終了し、現在はUAのプロパティへアクセスできなくなりました。
Q.UAのデータをGA4へ移管できますか?
A.いいえ、できない仕様です。UAのデータは必要に応じてエクスポートされることをおすすめします。
Q.GA4のプロパティ作成後にどのような初期設定が必要ですか?
A.必要に応じて以下の初期設定をおこないます。設定手順はGA4初期設定マニュアルをごらんください。
・データ保持期間を14ヶ月へ変更
・関係者IPの計測除外
・クロスドメイン設定
・GoogleSingalをオン
・計測したいイベントの設定
・コンバージョン設定
(参考)UAからGA4への移行スケジュールとやるべきこと
このパートはUAからGA4への移行期間に参考となるスケジュールやデータ計測についての紹介コンテンツです。UAの利用経験がある方向けの参考情報として掲載は残していますが、UAの提供が既に終了している点をお含みおきください。
2023年7月1日に計測が終了した無料版UAはもう利用ができません。
GA4へ移行するべきかどうかではなく、GA4を使うか、GA4を使わないかの二択ということ。Googleアナリティクスで今後もアクセス解析をおこなう場合はGA4へ移行する以外の選択肢はありません。
UAに使い慣れていると「GA4は使いづらい…。」と感じてしまうもの。しかし、GA4が使いづらいとしても慣れていくしかないのです。
ユニバーサルアナリティクスの終了スケジュール
UA(ユニバーサルアナリティクス)の無料版が完全にサービス終了するまでのスケジュールは以下の通りです。必要なデータはバックアップを取得しておきましょう。
データ計測は既に終了:終了日は2023年7月1日
データ閲覧期間:2024年6月30日まで(7月1日週以降にデータ削除)
追記:UAのプロパティはアナリティクスアカウントから削除されました
Googleアナリティクス公式ページでは以下のようにアナウンスが出ています。
2024 年 7 月 1 日の週以降: すべてのユニバーサル アナリティクス プロパティおよび API(読み取り専用権限の場合も含む)にアクセスできなくなり、すべてのデータが削除されます。標準のプロパティの廃止には数週間を要しましたが、ユニバーサル アナリティクス全体の廃止は 1 週間以内にすべて完了します。Google は、お客様のデータが重要であることを認識しております。つきましてはこの日までに、以前に処理されたデータをエクスポートすることをおすすめします。
(出典:アナリティクス ヘルプ)
GA4の初期設定と計測データの検討と計測設定
GA4は計測開始しただけでは基本的に実務で必要なデータ計測が十分にはできません。計測タグを設置しただけの場合に取得できるアクセスデータは限定的。
GA4では計測タグを設置するだけでなく、計測したいデータを細かく設定する必要があるため、それらを加味して計測設定をおこないましょう。
UAとGA4は並行してデータ計測ができる → UAの計測は終了しました
- GA4は設定後に初めてデータ計測ができる
- 設定する前に、どのデータ計測が必要かの検討が重要
初期設定はすぐにでもおこない、計測が必要なデータが整理でき次第、追加でデータ取得設定をおこなう対応がおすすめ。初期設定や追加設定が難しい場合は支援会社へ相談してでも取り組んだ方が良いでしょう。
Web担当者のための
GA4初期設定マニュアル
Googleのアクセス解析ツールとして15年振りに登場した次世代バージョンのGA4。
Webサイトのアクセス解析にGA4を活用する企業様が増える一方で、新しいツールのため設定方法がわからないというお声をいただく機会が増えています。そこで初めてGA4を利用する際のアカウント開設から導入時の初期設定までの手順を解説した資料をご用意しました。
▼本資料に掲載されている内容の一例は・・・
・GA4は何が変わったのか?
・アカウント開設の手順開設
・GA4と併せて活用したいGTMの使い方
・これだけはやっておきたい!初期設定の内容と手順とは?
・コンバージョン設定の事例
これからGA4の利用を始められる際にぜひご活用ください。