GA4のエンゲージメントとは?平均時間や率の見方も解説

更新日:2024年08月22日

GA4で追加されたエンゲージメント指標。

以前のGoogleアナリティクスには無かった指標がGA4で追加されたということは、GA4を活用する上でエンゲージメントは軽視できない指標です。

本記事ではエンゲージメントとは何か、GA4の画面で平均時間やエンゲージメント率の見方を解説します。

>>GA4レポート活用の基本マニュアルをダウンロードする

コンテンツ一覧

GA4のエンゲージメントとは

GA4のエンゲージメントとはどのような指標か、Google公式のアナリティクスヘルプの説明から見てみましょう。

サイトやアプリに対するユーザーの操作です。

例:
コンテンツ配信者の場合は、ページを下方向にゆっくりスクロールするといった操作がエンゲージメントになります。ユーザーが記事の長さを確認するためではなく、内容を読むためにスクロールしていることを示すエンゲージメントです。

(出典:エンゲージメント: 定義 - アナリティクス ヘルプ

 

この説明から、GA4のWebアクセス解析におけるエンゲージメントとは、単にページが開かれているだけではなくアクティブな状態と判定できるユーザー行動と言い換えることができます。

UAの直帰率とGA4のエンゲージメントにおける分析の違い

以前のGoogleアナリティクス(UA:ユニバーサルアナリティクス)でユーザー行動を評価する際の一例として、直帰率を見てページを評価する方法が一般的でした。しかし、直帰率分析には大きな問題も

仮に検索エンジン経由でWebページへ訪問し、ゆっくりとスクロールしながらコンテンツを長時間に渡って熟読し、ページに満足して検索ニーズを満たされたとしても、これは直帰に該当します。

 

直帰率が高いか低いかの観点で分析していると、上記ユーザー行動は悪い結果に見えてます。しかし、実際はページの目的を果たせているとも考えられ、決して悪い結果ではないはずです。

 

一方で、エンゲージメント指標で分析すると、先程の例ではエンゲージメント発生データを計測できるため、直帰率分析では得られなかった分析結果に。

GA4とは、エンゲージメント指標が加わったことで、よりユーザー行動を明確に捉えることができるように進化したバージョンなのです。

このような背景もあり、GA4の直帰率は従来の直帰率から定義が変わり、「エンゲージされなかったセッションの割合」として扱うようになりました。

GA4におけるエンゲージメントセッションの条件

GA4ではエンゲージメントがあったセッションの条件を以下のように定義しています。

  • 10秒以上継続したセッション
  • コンバージョンイベントが発生したセッション
  • 2ページ以上の閲覧が発生したセッション

上記条件に該当しないセッションが直帰したセッションとなります。

エンゲージメント関連のGA4指標と見方

ここからはエンゲージメントに関するGA4指標画面の見方を解説していきます。

エンゲージのあったセッション数とは

前述のエンゲージメントセッションとなる3つの条件の内、1つ以上に該当するセッションをエンゲージのあったセッションと呼びます。この数値がエンゲージのあったセッション数。

エンゲージのあったセッション数の見方

エンゲージのあったセッション数の見方は、標準レポートを使う方法がもっとも手軽。

「レポート」「ライフサイクル」「集客」「集客サマリー」を選択し、プルダウンから「エンゲージのあったセッション数」を選択してみましょう。

GA4のエンゲージのあったセッションの見方

上図ではチャネル別の数値が表示されていますが、こちらのディメンションもプルダウンから切り替えることができます。

平均エンゲージメント時間とは

平均エンゲージメント時間とは、アクティブユーザーあたりの平均エンゲージメント時間のこと。

平均エンゲージメント時間の見方

平均エンゲージメント時間の見方は、「レポート」「エンゲージメント」「エンゲージメントの概要」を表示するのみ。

GA4の平均エンゲージメント時間の見方

平均エンゲージメント時間の計算式

平均エンゲージメント時間は以下の計算式で算出される指標です。

平均エンゲージメント時間 = ユーザーエンゲージメントの合計時間 ÷ アクティブ ユーザー数

平均エンゲージメント時間と滞在時間の違い

ユーザーエンゲージメントの合計時間に、ブラウザが非アクティブな状態の時間は含まれません。

従来のページ滞在時間や平均セッション時間ではこの要素が考慮されていなかったため、ブラウザでページを開いた状態でユーザーが他のタブを開いて、他のサイトを閲覧している時間も含まれるケースがありました。

あくまでもブラウザでフォーカス状態にあった時間から算出される平均エンゲージメント時間の方がより現実的な指標に近づいたと言えますね。

平均エンゲージメント時間の目安

一概に目安となる平均エンゲージメント時間を定めるのは現実的ではありません。なぜなら、ページのコンテンツ次第で大きく異なる指標だから。

例えばWebサイトのトップページであれば通常はユーザーが長く滞在するよりも、目的のページへすぐにページ遷移することが多く、この場合は平均エンゲージメント時間は自然と短くなるでしょう。

一方で、ブログ記事のような読み物であれば、ターゲットユーザーにマッチしたコンテンツなら長く滞在する傾向があります。

つまり、目安となる数値を意識するより、ページ毎の指標の変化や他ページとの相対的な比較をおこなう方が分析に活かせるのです。

エンゲージメント率とは

前述のエンゲージメントセッションとなる3つの条件の内、1つでも該当する場合はGA4の指標名で「エンゲージのあったセッション」に該当します。

セッション数の合計に対するエンゲージメントのあったセッションの割合がエンゲージメント率。

エンゲージメント率
 = エンゲージメントのあったセッション数 ÷ セッション数

エンゲージメント率の見方

エンゲージメント率を探索レポートの自由形式で確認してみましょう。

「値」に「エンゲージメント率」をセットし、「行」には任意のディメンションをセットします。ここでは例として「セッションのデフォルトチャネルグループ」をセットしました。

GA4のエンゲージメント率の見方

このデータから集客チャネル別のエンゲージメント率がわかります。

上記データの場合、広告集客(=Paid Search)のエンゲージメント率が極端に低く、ページをしっかりと読まれていないのかもしれません。一方で検索エンジン集客(=Organic Search)は他のチャネルよりもページを読まれていると考えられます。

 

もし探索レポートの基本的な使い方から確認したい場合は「GA4レポート活用の基本マニュアル」もご活用ください。

ユーザーエンゲージメントとは

ユーザーエンゲージメントは、ページが表示されてアクティブな状態にあった時間の合計(秒)。指標名から時間を示すことが分かりづらいので注意が必要です。

 

ユーザーエンゲージメントの見方

ユーザーエンゲージメントは探索レポートの自由形式から確認しましょう。

「値」に「ユーザーエンゲージメント」をセットすればOKです。

GA4のユーザーエンゲージメントの見方

直帰率とは

GA4でエンゲージメントを計測できるようになったことで、直帰率の定義が変更されました。

以前のGoogleアナリティクスとは定義が異なる点にご注意ください。

1(100%) - エンゲージメント率 = 直帰率

エンゲージメント率を向上させる方法

エンゲージメント率の向上につながるWebページの改善はユーザーの満足度を高め、Webサイトの価値を高めることにつながります。ここからは効果的なエンゲージメント率向上の方法をご紹介します。

1. コンテンツの質を高める

まずはコンテンツの質を高めることが重要です。ユーザーのニーズに応える、価値ある情報を提供しましょう。

  • ターゲットユーザーのペルソナを明確にしてそのニーズに応えるコンテンツを作成する
  • 最新の情報を定期的に更新して常に新鮮なコンテンツを提供する
  • 専門知識や独自の視点を盛り込み、他サイトとの差別化を図る

2. ページの読みやすさを改善する

コンテンツの質が高くても、読みにくければユーザーはすぐに離脱してしまいます。そのため、ページの読みやすさを改善することでエンゲージメント率の向上が期待できます。

  • 適切な見出し(H1, H2, H3など)を使用して文章構造を明確にする
  • 段落を短めに区切り、読みやすさを向上させる
  • 箇条書きやテーブルを活用して情報を整理する
  • 適切なフォントサイズと行間を設定して視認性を高める

3. ページ表示速度の最適化

ページの表示速度が遅いとユーザーはストレスを感じて離脱してしまう可能性が高くなります。そのため、ページ表示速度の最適化はエンゲージメント率向上に直結します。

  • 画像の最適化(圧縮、適切なサイズ設定)
  • 不要なプラグインやスクリプトの削除
  • ブラウザキャッシュの活用
  • CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の利用

4. 内部リンクの最適化

適切な内部リンクの設置はユーザーの回遊率を高め、エンゲージメント率の向上につながります。

  • 関連性の高いコンテンツ同士をリンクでつなぐ
  • アンカーテキストを工夫してクリックしたくなる文言にする
  • サイドバーやフッターに人気記事や関連記事のリンクを設置する

5. モバイルフレンドリーなデザイン

スマートフォンやタブレットからのアクセスが増加している現在、モバイルフレンドリーなデザインは必須。レスポンシブデザインを採用し、デバイスに応じた最適な表示となるサイトを制作しましょう。

6. CTAの最適化

適切なCTA(Call To Action)の設置はユーザーの行動を促し、エンゲージメント率を高めます。

  • 目立つ色やデザインを使用して視認性を高める
  • 明確で行動を促す文言を使用する(例:「今すぐ登録する」「詳細を見る」)
  • 適切な位置に配置する(コンテンツの終わりやスクロールしても見える位置など)

7. ユーザー体験(UX)の向上

全体的なユーザー体験の向上もエンゲージメント率アップに重要です。

  • 直感的なナビゲーション設計
  • 検索機能の充実
  • パンくずリストの設置
  • 関連ページへの導線設計

 

これらの方法を組み合わせて実践することでエンゲージメント率の向上が期待できます。

ただし、改善策を実施した後は必ずGA4でエンゲージメント率の変化を測定し、PDCAサイクルを回しながら継続的な改善を心がけましょう。サイトの特性や目的に応じて最適な方法を選択し、ユーザーにとって価値のあるサイトづくりを目指しましょう。

GA4のエンゲージメントまとめ

GA4で加わったエンゲージメント指標により、ユーザーがページを訪問した際に何もアクティブな行動をせずに離脱したのか、コンバージョン発生や別ページへの回遊があったのかを具体的に把握できるようになりました。

エンゲージメント指標を使って改善インパクトが大きいページや重要度が高いページを改善し、成果向上に取り組みましょう。

エンゲージメント分析をおこなうためには探索の活用が欠かせません。「GA4レポート活用の基本マニュアル」を参考に取り組んでみてくださいね。

アクセス解析に欠かせない

GA4レポート活用の基本

GA4レポート活用の基本

Googleのアクセス解析ツールとして15年振りに登場した次世代バージョンのGA4。

GA4を導入される企業様は増えていますが、導入したは良いももの使い方が分からずお困りのWeb担当者様も少なくありません。そこでGA4のアクセスデータを見るために必要な「レポート」と「探索」の機能に特化して使い方を解説した資料をご用意しました。

▼本資料に掲載されている内容の一例は・・・
・レポートの主な画面
・カスタマイズしたレポート画面の設定方法
・探索の使い方
・ページ別の指標を確認する方法
・ランディングページ別の指標を確認する方法
・旧GAのユーザー概要を再現する方法

GA4を活用してアクセス解析をおこなう際にぜひご活用ください。