【ステップメール】シナリオ設計と有効活用のポイント
更新日:2024年02月28日
ステップメールを有効活用するために欠かせないシナリオ設計。
シナリオ設計をおこなわずに配信メールを作成しても上手くいきません。しかし、普段の業務でシナリオを考える機会は少ないため、ステップメール用に初めてシナリオ設計を行う際はどうすれば良いか迷われるかもしれませんね。
本記事では誰でも迷わず取り組めるシナリオ設計の進め方についてご紹介します。
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ステップメールのシナリオとは?
ステップメールのシナリオとは、予め設定した内容のメールを「指定のタイミング・配信順序・配信対象条件」に基づいて自動配信する際の全体ストーリーです。
シナリオ設計の目的はステップメールの自動化によってビジネス成果を出すこと。メールを単純に自動化しても意味がなく、KPIやKGIの達成に寄与するシナリオ設計を念頭に作成します。
ステップメールの活用メリットと通常メルマガとの使い分け
手動で配信するメルマガはタイムリーなコンテンツの提供が向いています。最新情報やシーズナリティのある内容は配信する時期が限定されるため、読者ごとに異なるタイミングで届くステップメールには不向きです。
一方で、初めて読者登録した人に対するウェルカムシーケンス、つまり登録のお礼から始まり、自社やサービスを一から順番に伝える場合はステップメールが有効ですね。手動配信では途中から登録する読者が混ざってしまうからです。
他にも、無料お試し期間の終了予告やバースデークーポンのような読者毎に異なるタイミングで配信するメールはステップメールでの自動配信が現実的な方法と言えます。
ステップメールを使う必要はない!?
ステップメールのシナリオ設計を解説する本記事と矛盾すると思われるかもしれませんが、無理してシナリオに基づいたステップメール配信による自動がをおこなう必要はありません。
なぜなら、複雑なシナリオを設計し、ステップメール配信で成果を上げる難易度は高いから。
ステップメールのテンプレートを調べて形を真似ても思うような効果は出にくいのが現実です。そのためステップメールを使う場合、最初はシンプルな活用をおすすめします。
例えば条件Aを満たす見込み客へメールBを配信するといった使い方。MA活用ノウハウの「マーケティングDXの始め方」をダウンロードした方に、さらに踏み込んだMA情報をステップメールでお届けするといった配信方法です。シンプルなシナリオだからこそ、配信結果の分析が容易で効果検証しやすいのです。
ステップメールの成功事例
実は、ステップメールの成功事例として最も役立つのは、過去に自社で配信したメルマガの中に埋もれている可能性があります。過去に配信して反響が大きかったメルマガ、成果につながったメルマガをステップメールに設定し、新たな見込み客へ配信すると同様の結果が期待できるのです。
シナリオ設計の進め方
シナリオ設計をメルマガ配信作業と考えてしまうと成果につながらないメール自動配信の仕組みに…。ステップメールのシナリオ設計を自社と顧客のコミュニケーション戦略の策定として考えてみるのはいかがでしょうか。
シナリオを設計し、ステップメールを組むことで確かにメルマガが自動配信されますが、自動化することが成果につながるわけではありません。成果につながるメールコミュニケーションをおこなうことがポイントで、それが自動化によってより適切な顧客へ、適切なタイミングでメルマガ配信できるだけなのです。
ここからは具体的なシナリオ設計の進め方についてご紹介します。
なぜ、シナリオを活用するのか?ステップメールの考え方
通常メルマガとの違いで例を挙げたように、全てのメルマガをシナリオ設計してステップメール配信する必要はありません。
顧客とのコミュニケーションにおける自社の目的を明確化し、それがシナリオによって達成できるかどうかを最初に見極めましょう。
想定読者のニーズとゴールを決める
自社のビジネスゴールを達成するためのシナリオとはいえ、コミュニケーションは顧客であるメルマガ読者が求める内容であることが前提となります。
メルマガを購読する読者は、
- 何を求めているのか?
- どんな課題を持っているのか?
- どうなりたいと考えているのか?
自分が求めている内容でないメルマガは解除や未開封のまま放置されることになるため、顧客視点で考えることがポイントです。
複数のニーズが想定され、判断が付かない場合はニーズ毎にシナリオを分岐させる方法も。例えば、Web広告のコンテンツへのリンクをクリックした読者はシナリオAに分岐させ、SEOのコンテンツへのリンクをクリックした読者はシナリオBに分岐させるといった活用方法です。
但し、まだ読者数が少ない段階で複雑なシナリオを設計しても母数が少なく効果検証ができなくなるため、最初から工数を割いて複雑なシナリオを設計する必要はありません。
ゴールまでのストーリーを描く
シナリオのゴールを決めたら、読者ニーズを満たしてゴールまで導くための道のりをシナリオに落とし込みます。
どのタイミングで、どんなコンテンツに価値を感じてもらえるかを検討しましょう。
効果的なステップメールのシナリオ設計テンプレートを他社から学んで取り入れる方法もありますが、自社や自社サービスと読者ニーズの組み合わせは様々ですから、機械的にテンプレートへ当てはめても残念ながら思うような効果は期待できません。
ここではゴールまでのストーリーを描いて読者へ伝える際に有効な考え方をご紹介しますね。
マーケティングコンサルタントのSimon Sinek氏が提唱する「ゴールデンサークル理論」では、人を動かす際に伝える順番が重要と言われています。促す行動(=what)ではなく、なぜそうした方が良いのか(=why)を伝え、そのためにどうすれば良いのか(=how)を伝えた後に行動を促すと効果的だということです。
単に「ステップメールを活用しましょう」 と言われるよりも、
- Why:多くの読者に対して個々の状況に応じた手動メール配信作業は非効率で非現実的だから
- How:シナリオを設計し、メルマガを自動配信するルールを策定して
- What:ステップメールを活用しましょう
と言われた方が行動に移しやすいですよね。読者がゴールへ向かうために、どんな順番で伝えるかを検討してみましょう。
大事なメッセージごとに分割する
メルマガは大事なメッセージ1つに絞ってを伝えることがポイントです。タイトルを見てメールを開封するかを一瞬で判断し、本文を流し読みする間に複数のメッセージを伝えようとするとどれも伝わりにくくなってしまいます。
ワンメール・ワンメッセージで、ストーリーに沿って順番に設計していきます。
ステップメール用の配信メールを作成する
ここまでのシナリオ設計で、全体ストーリーや読者ニーズとゴール、各メールのメインメッセージが決まりました。
後はメインメッセージを伝えるメールを一通ずつ書くだけですから、難しい作業はありませんね。
MA導入によるステップメール活用
ステップメールの機能は多くのメール配信システムで実装されています。メルマガを自動配信するために必要な機能は一通り揃っているシステムを安価で利用できます。
メール配信システムでも十分にメールマーケティング施策を実行できますが、MA(マーケティング・オートメーション)ツールを活用するとより読者ニーズに寄り添ったステップメール配信・シナリオ設計ができるようになるので、参考までにご紹介します。
例えばシャノン社のMA「SMP」。
SMPでは、メルマガ登録(=MAではリード登録と言います)を起点に自動配信を始めるステップメール(SMPではシナリオ機能と呼びます)以外にも、例えば次のような条件でシナリオ設計が可能です。
- 特定のURLへアクセスしたリードへステップメールを配信する
- 特定のメール内リンクをクリックしたリードへステップメールを配信する
- スコアリングに応じて対象リードを絞ってステップメールを配信する
- Webサイト内の行動データから対象リードを絞ってステップメール配信する
MAで管理するリード情報とステップメールの購読状況、Webサイト内の行動データを組み合わせて、検討段階に応じたステップメールの使い分けまで自動化させられます。
成果につなげるステップメール運用のポイントはシナリオ設計に有り。
ぜひ自社に適したシナリオを設計し、メールマーケティング業務を効率化しましょう。メルマガ配信ツールではなくMAを活用したマーケティングDXの始め方も参考にしてみてください。