滞在時間はSEOに影響するのか?対策とGA4で確認する方法をご紹介
公開日:2023年11月02日
Webサイトへ訪問したユーザーの滞在時間はSEOに影響するのでしょうか?
本記事ではSEO担当者なら一度は疑問を抱くこの滞在時間とSEOについて、SEO対策とGA4で確認する方法をご紹介します。
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SEOと滞在時間の関係
滞在時間とは、ユーザーがWebサイトに訪れてから離脱するまでの時間のこと。
滞在時間が長いWebサイトほど、ユーザーが興味を持っていたり、役立つ内容だったり、ユーザーにとって価値がある可能性が高いですよね。
では、この滞在時間はSEOにどのような影響を与えるのでしょうか?
GA4で計測できる滞在時間
Google Analytics 4(GA4)では滞在時間に関連するデータを計測することができます。
GA4では、「平均エンゲージメント時間」という指標で滞在時間より更に意味のある時間を計測しています。GA4のエンゲージメントとは、単にページが開かれているだけではなくアクティブな状態と判定できるユーザー行動のこと。
このユーザー行動がおこなわれていた時間の平均を平均エンゲージメント時間と呼びます。
SEOへ直接影響しない滞在時間
しかし、滞在時間がSEOに直接影響するということはありません。
Googleは滞在時間をランキング要素として使用していないと公式に発表しており、滞在時間がSEOに影響するという明確なデータがないのです。
また、滞在時間はWebサイトの目的や内容によっても異なります。
例えば、ニュースサイトやブログなどでは、ユーザーが長く読み込んでくれることが望ましいですが、検索エンジンや用語集などでは、ユーザーが短時間で欲しい情報を得られる方が望ましいですね。そのため、滞在時間だけではWebサイトの品質や価値を判断することはできません。
SEOへ間接的に影響する滞在時間
滞在時間がSEOへ直接影響するとは言えない一方で、滞在時間がSEOに全く関係ないというわけではありません。
滞在時間はSEOに間接的に影響する可能性があります。
なぜなら、一般的には滞在時間が長いほど、ユーザーがWebサイトに満足していると考えられるから。
そして、ユーザーがWebサイトに満足しているということは、他の指標にも良い影響を与える可能性があります。
以下に挙げるようなこれらの指標は、Googleがランキング要素として使用している可能性も。
また、これらの指標は、ユーザーの検索ニーズに応えることができるWebサイトであることを示すことにもなりますよね。そのため、滞在時間を伸ばすことは、SEOに間接的に貢献する可能性があるのです。
直帰率
ユーザーがWebサイトを訪れた後、他のページを見ずに離脱する割合。直帰率が低いほど、ユーザーがWebサイト内で複数のページを見てくれていることになります。
リピート率
ユーザーがWebサイトを再度訪れる割合。再訪問率が高いほど、ユーザーがWebサイトにリピートしてくれていることになります。
ブランド認知度
ユーザーがWebサイトの名前やロゴなどを覚えている度合い。ブランド認知度が高いほど、ユーザーがWebサイトを信頼してくれる可能性があります。
口コミやSNSでの拡散
ユーザーがWebサイトの内容を他の人に紹介したり、シェアしたりする回数。口コミやSNSでの拡散が多いほど、Webサイトの露出度が高まります。
滞在時間を伸ばすSEO対策
では、滞在時間を伸ばすためにはどのようなSEO対策をおこなうと良いのでしょうか。
仮に滞在時間を伸ばすことがSEO対策に直接的な効果が無くても、滞在時間を伸ばすための施策そのものはWebサイトの価値を高め、SEO対策に効果が期待できます。
ここでは、滞在時間を伸ばすことにもつながるSEO対策の例を紹介します。
ページの表示速度を改善する
ページの表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じてすぐに離脱する可能性が高くなりますよね。実際に、Googleの調査ではページの表示速度遅くなると、離脱率が増加することが分かっています。
早期離脱につながるということは、滞在時間も短くなるということ。
また、ページの表示速度はGoogleのランキング要素の一つでもあります。そのため、ページの表示速度を改善することは、滞在時間を伸ばすだけでなく、SEOにも直接的に効果的な対策なのです。
ページの表示速度を改善するためには、以下のような方法があります。
- 画像や動画などのメディアファイルのサイズや形式を最適化する
- CSSやJavaScriptなどのコードを圧縮や最小化する
- キャッシュやCDNなどを利用して配信速度を向上させる
- 不要なプラグインやウィジェットなどを削除する
これらの方法は、Webサイトの容量やリクエスト数を減らし、レスポンス時間を短縮することで、ページの表示速度を改善できます。
UXを改善する
UXとは、User Experience(ユーザー体験)の略で、ユーザーがWebサイトを利用した際に感じる満足度や快適さのこと。
UXが優れているほど、ユーザーはWebサイトに長く滞在しやすくなりますよね。また、UXはGoogleのランキング要素にもなっているため、UXを改善することも、滞在時間を伸ばすだけでなく、SEOにも直接的に効果的な対策となるのです。
WebサイトのUXを改善するためには、以下のような方法があります。
- デザインやレイアウトをシンプルで分かりやすくする
- ナビゲーションやメニューを改善する
- コンテンツを見出しや段落、箇条書きなどで整理する
- フォントや色、画像などを統一感やコントラストがあるようにする
- コンテンツにCTA(Call To Action)を設置する
これらの改善によってWebサイトの見た目や操作性を向上させることで、ユーザーの満足度や快適さの向上が期待できます。
検索ニーズに合うコンテンツを掲載する
検索ニーズに合うコンテンツとは、ユーザーがキーワードを入力した理由や目的に沿った、ユーザーの期待に応えるコンテンツということですね。
検索ニーズに合うコンテンツを掲載することは、滞在時間を伸ばすだけでなく、SEOにも直接的に効果的な対策。なぜなら、Googleは検索ニーズに合うコンテンツを高く評価し、ランキングに反映させるからです。
検索ニーズに合うコンテンツを掲載するためには、こちらの記事でご紹介している検索意図の考え方を理解し、調査した上で制作することが重要。
ユーザーの検索意図を理解してニーズを満たすコンテンツを作成することで、ユーザーの疑問や課題を解決することができるのです。
内部リンクを最適化する
内部リンクとは、Webサイト内のページから別のページへ設置されたリンク導線のことです。
内部リンクを最適化することは、滞在時間を伸ばすだけでなく、SEOにも直接的に効果的な対策です。なぜなら、内部リンクを最適化することで、以下のようなメリットがあるからです。
- ユーザーがWebサイト内の関連コンテンツを見つけやすくなる
- GoogleがWebサイトの構造や関連性を理解しやすくなる
- Webページの重要度やキーワードの重要度を示すことができる
内部リンクを最適化するためには、以下のような方法があります。
- リンク先のページがユーザーにとって価値のあるコンテンツであることを伝える
- リンク元のページとリンク先のページが関連性のあるトピックであることを伝える
- リンクテキストにSEO対策キーワードを含める
- リンクテキストに「詳細はこちら」などの曖昧な表現を使わない
- ユーザーに必要なタイミングでリンクを設置する
これらの方法は、ユーザーにWebサイト内で関連するコンテンツを見てもらうことで、滞在時間を伸ばすために有効です。
GA4で滞在時間を確認する方法
GA4で滞在時間に関連する指標の平均エンゲージメント時間を確認する方法は、「レポート」→「エンゲージメント」→「エンゲージメントの概要」を表示するのみ。
ページ別に確認したい場合は、左メニュー「ページとスクリーン」からデータを表示できます。
長い滞在時間が良いとは限らない
滞在時間を伸ばすことはSEOにとって有益なことですが、長い滞在時間が必ずしも良いというわけではありません。
滞在時間が長いということは、ユーザーがWebサイトに興味を持っているということですが、それは必ずしもユーザーがWebサイトに満足しているということではない点に注意が必要。例えば、以下のような場合には、滞在時間が長くてもユーザーの満足度は低い可能性があります。
- Webサイトが分かりにくくて、ユーザーが理解するのに時間がかかる場合
- コンテンツが不十分で、ユーザーが欲しい情報を見つけるのに時間がかかる場合
- Webサイトのコンテンツが誤っていて、ユーザーが信頼できないと感じる場合
- 過剰に広告やポップアップで邪魔されて、ユーザーが操作し辛い場合
これらの場合は、滞在時間が長くても、ユーザーはWebサイトに不満を持ち、再訪問しないかもしれませんよね。
また、Googleも滞在時間だけではなく、他の指標や信頼できるソースから得られる情報も考慮してランキングを決めるため、滞在時間だけを追求することはSEOにとって逆効果になる可能性もあります。
そのため、滞在時間を伸ばすことは大切ですが、それだけではなく、ユーザーの満足度や信頼度も高めることが重要ですね。
SEOと滞在時間の関係まとめ
本記事ではSEOと滞在時間の関係についてご紹介しました。
滞在時間そのものがSEOに効果のあるものでなくとも、長い滞在時間となるWebサイト改善が結果的にSEO対策となります。改善によってWebサイトの価値を高めていきましょう。
その他、基本のSEO対策から取り組む場合は「基礎SEO対策チェックリスト」に記載の基本項目も参考にしてみてください。
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基礎SEO対策チェックリスト
SEOは基礎となる項目の対策から。
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