コンテンツマーケティングで成果を出すためのKPI設定を解説
更新日:2024年08月09日
効果的なKPI設定はコンテンツマーケティングで成功する上で欠かせません。
本記事ではKPI設定から改善まで、コンテンツマーケティングで成果を出すために必要なKPIについて解説します。
>>オウンドメディアの集客成功事例を学べる資料をチェックする
本記事ではコンテンツマーケティングのKPIについて解説しています。
オウンドメディアのKPIについてはこちらの記事もぜひご覧ください。
コンテンツマーケティングにおけるKPIとは?KGIやKSFとの違い
コンテンツマーケティングを成功させるには、適切な指標で進捗を測定し、施策を振り返る必要がありますよね。その中心となるのが「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」です。
KPIは目標達成に向けた進捗状況を定量的に測定するための指標のこと。
でも、似たような用語にKGIやKSFがありややこしいため、はじめにKPI・KGI・KSFそれぞれの定義や違いからご紹介します。
KPIの定義と重要性
KPIは組織や事業の目標達成度を評価するための定量的な指標です。
コンテンツマーケティングにおいては、例えば「ブログ記事のPV数」や「SNSのエンゲージメント率」など様々なKPI指標が考えられます。これらの指標を設定して定期的に測定することで、施策の効果を可視化し、改善につなげることができるのです。
KPIは以下の観点からも重要性が高いことは間違いありません。
- 目標達成への進捗状況を客観的に把握できる
- 個人・チーム・企業で共通の指標を追うことで施策の方向性を統一できる
- 問題点や改善ポイントを早期に発見し、迅速な対応が可能になる
KPIは単なる数字ではなく、コンテンツマーケティングで成果を上げるための指針となるもの。適切なKPIを設定して活用することで、戦略の効果を最大化できるでしょう。
KPIとKGIの違い
KPIとKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)はどちらも目標に関する指標ですが、その性質が異なります。KGIは最終的に達成すべき目標を示す指標で、KPIはその目標達成に向けたプロセスを測定する指標。
例えば、コンテンツマーケティングにおいて、次のようなKGIとKPIの組み合わせが考えられます。
- KGI:年間売上1億円達成
- KPI:月間サイト訪問者数10万人、コンバージョン率1%など
このように、KGIがゴールを示すのに対し、KPIはその目標達成のための具体的な指標となります。KPIを達成することで最終的にKGIの実現につながるわけですね。
KPIとKSFの違い
KSF(Key Success Factor:重要成功要因)は目標達成のために必要不可欠な要素や条件のことを指します。KPIが数値化された指標であるのに対し、KSFは定性的な要素が多いのが特徴ですね。
コンテンツマーケティングにおけるKSFには以下のような要因があります。
- ターゲット顧客のニーズを的確に把握すること
- 高品質なコンテンツを継続的に提供すること
- 適切なチャネルを通じてコンテンツを配信すること
KSFを明確にすることで、KPIの設定や達成に向けた具体的な行動指針が見えてくるでしょう。つまり、KSF→KPI→KGIという流れで戦略全体を組み立てていくことができるのです。
全5ステップ!コンテンツマーケティングのKPI設定
ここからはコンテンツマーケティングにおけるKPI設定の具体的な手順をご紹介します。5つのステップに沿って効果的なKPI設定をおこなっていきましょう。
ステップ1:コンテンツマーケティングの目的を明確にする
KPI設定の第一歩はそもそもなぜコンテンツマーケティングをおこなうのか、その目的を明確にすること。目的が曖昧だと適切なKPIを設定することができません。
コンテンツマーケティングの目的は、一例として以下のようなものがあります。
- ブランド認知度の向上
- リード獲得数の増加
- 顧客エンゲージメントの強化
- 売上・収益の増加
- 顧客ロイヤリティの向上
自社のビジネス目標や現状の課題を踏まえて目的を設定しましょう。
ステップ2:顧客とコンテンツのタッチポイントを明確にする
次に、顧客がどのようなプロセスでコンテンツと接触して最終的な目的に至るのか、そのタッチポイントを明確にします。これはいわゆる「カスタマージャーニー」を描くプロセスですね。
コンテンツマーケティングにおいては一例として、以下のようなタッチポイントがあります。
- 検索エンジンでの検索結果
- ブログ記事
- SNS
- メルマガ
- ホワイトペーパー
- ウェビナー
- 製品ページ
これらのタッチポイントを、顧客の行動フェーズ(例:認知→興味関心→検討→お問い合わせ→購入)に沿って整理していきます。各タッチポイントでどのようなコンテンツが効果的かを考えてみるのも大切。
ステップ3:タッチポイントごとに達成すべきゴールを設定する
各タッチポイントで顧客にどのような行動を取ってほしいのか、具体的なゴールを設定します。これがKPIの候補となります。
- ブログ記事:ページ閲覧、資料請求ページへの回遊
- SNS投稿:いいね、コメント、シェアの獲得
- ホワイトペーパー:ダウンロード
- 製品ページ:詳細情報の確認、問い合わせ
ゴール設定の際は「SMART」の原則を活用すると便利。
- Specific(具体的)
- Measurable(測定可能)
- Achievable(達成可能)
- Relevant(関連性がある)
- Time-bound(期限がある)
これらの要素を満たすゴールを設定することで、後のKPI選定がスムーズになりますよ。
ステップ4:ゴールに応じてKPIを選定する
ステップ3で設定したゴールを測定するために適したKPIを選定します。測定可能で、かつ目的達成に直結する指標を選ぶことが重要。
ゴール例 |
KPI設定例 |
ブログ記事の閲覧 |
ページビュー数、エンゲージメント率 |
SNSでのエンゲージメント |
いいね数、コメント数、シェア数、エンゲージメント率 |
リード獲得 |
資料ダウンロード数 |
問い合わせ増加 |
問い合わせ件数 |
複数のKPIを組み合わせることでより多角的に状況を把握できます。ただし、あまり多くのKPIを設定するとかえって焦点がぼやけてしまう可能性があるので注意が必要ですね。
ステップ5:KPIの目標値を設定する
最後に選定したKPIに対して以下のような情報を参考に具体的な目標値を設定します。
- 過去のデータをベースにした設定
- 業界平均や競合他社との比較による設定
- 達成必須ゴールから逆算した設定
例えば「ブログ記事から資料請求ページへの回遊率は1%以上を目指す」「メールマガジンの開封率を業界平均の25%に改善する」といった具合ですね。
目標値は容易に達成できない数値かつ現実的な範囲に設定することが大切です。あまりに高すぎる目標はチームのモチベーション低下につながりかねませんし、逆に低すぎる目標では成長の機会を逃してしまう可能性があります。
また、定期的に目標値の見直しをおこなうことも重要。
市場環境の変化や自社の成長に合わせて適宜調整していきましょう。施策を実行してみて計画より早く達成した、予想外に苦戦したなど、場合によっては計画自体の大幅な見直しが必要になることもあります。
コンテンツマーケティングのフェーズ別KPI設定例
コンテンツマーケティングは顧客の購買行動に沿って複数のフェーズに分けることができます。
各フェーズで適切なKPIを設定することで、より効果的なマーケティング活動が可能に。ここではフェーズごとのKPI設定例を見ていきましょう。
認知フェーズのKPI
認知フェーズは潜在顧客に自社やサービスの存在を知ってもらう段階。認知フェーズでは以下のようなKPI例が挙げられます。
- Webサイトの新規訪問者数
- SEO対策キーワードでの検索順位
- ブランド名の検索ボリューム
- インプレッション数(広告やSNS投稿など)
例えば、「月間の新規訪問者数を前期比35%増加させる」といった具体的な目標を立てることができますね。
興味関心フェーズのKPI
関心・興味関心フェーズでは、認知した顧客にさらに深く関心を持ってもらうことが目標です。このフェーズでは以下のようなKPI例が挙げられます。
- ページビュー数
- 平均エンゲージメント時間
- Webサイトへのリピート訪問率
- ホワイトペーパーのダウンロード数
- メールマガジンの登録者数
「ホワイトペーパーのダウンロード」したユーザーは興味を持ってもらえている、「複数のホワイトペーパーをダウンロード」したユーザーは更に興味関心度合いが高いと想定できますね。
比較検討フェーズのKPI
比較検討フェーズはユーザーが自社製品やサービスを具体的に検討し始める段階。このフェーズでは、より具体的な行動を測定するKPIが重要になってきます。
- サービス資料のダウンロード数
- 製品デモの申し込み数
- 問い合わせフォームの送信完了数
- ECサイトのカートへの追加率
例えば「お問い合わせ件数を月20件獲得する」といった目標が考えられますね。
購入フェーズのKPI
購入フェーズは売上に直結する重要な段階。このフェーズでは以下のようなKPIが重要になってきます。
- 購入完了率
- 平均注文額
- リピート購入率
- 顧客獲得コスト(CAC)
- 顧客生涯価値(LTV)
ここでは「CACを10,000円以下に抑える」といった具体的な目標設定をおこないます。
コンテンツマーケティングの種類別KPI設定例
ブログ、SNS、メールマガジン、ホワイトペーパー、動画、プレスリリースなど、コンテンツマーケティングには様々な種類がありますよね。KPI設定の際はそれぞれのコンテンツタイプに応じて適切なKPIを設定することが重要です。
ブログのKPI
ブログ記事やWebサイトのコンテンツページに関するKPIには以下のようなものがあります。
- 新規制作記事件数
- ページビュー数
- ユーザー数
- 平均エンゲージメント時間
- 検索エンジンからの流入数
- ブログ記事経由での資料請求件数
- ブログ記事経由でのお問い合わせ件数
SNSのKPI
SNSマーケティングでは以下のようなKPIが一般的です。
- フォロワー数の増加率
- 投稿ごとのリーチ数
- エンゲージメント率(いいね、コメント、シェアの合計 ÷ リーチ数)
- クリック数(リンク付き投稿の場合)
メールマガジンのKPI
メールマーケティングでは以下のKPIが重要になってきます。
- 配信数
- 開封率
- クリック率(CTR)
- コンバージョン数
- 解除率
ホワイトペーパーのKPI
ホワイトペーパーやサービス資料に関するKPIには以下のようなものがあります。
- ダウンロード数
- コンバージョン率
- 獲得した有効リード数
- ダウンロード後の問い合わせ率
動画のKPI
動画コンテンツに関するKPIには以下のようなものがあります。
- 再生回数
- 視聴継続率
- 平均視聴時間
- エンゲージメント率(いいね、コメント、シェアの割合)
- クリック率(動画内のリンクがクリックされた割合)
プレスリリースのKPI
プレスリリースに関するKPIには以下のようなものがあります。
- メディア掲載数
- リーチ数(掲載メディアの合計閲覧者数)
- 自社サイトへの流入数
- 自社サイトでのコンバージョン数
>>オウンドメディアの集客成功事例を学べる資料をチェックする
KPI達成・数値改善のポイント
KPIを設定したら達成に向けた施策の実行へと移ります。ここではKPI達成・数値改善のポイントを見てみましょう。
ユーザーニーズに応えるコンテンツの作成
KPI達成に欠かせないのが、ユーザーニーズに応える高品質なコンテンツを作成すること。そのためには次の2つのポイントを抑えましょう。
- ターゲットのペインポイントを理解する
- ユーザーニーズに応えるコンテンツを作成する
ターゲットのペインポイントを理解する
ターゲットユーザーが抱える課題や悩み(ペインポイント)を深く理解することが効果的なコンテンツ作成の第一歩。
自社のお客様へアンケートやインタビューをおこなったり、調査レポートを参考にしたり、SNSやQ&Aサイトからターゲットの声を収集したり、ユーザーを理解するための情報を集めましょう。
これらの情報を元にターゲットユーザーの「痛み」を具体的にリストアップしていきます。そうすることで、より共感を得られるコンテンツのアイデアが生まれやすくなりますよ。
ユーザーニーズに応えるコンテンツを作成する
ペインポイントを理解したらそれに応えるコンテンツを作成します。以下のポイントを抑えてコンテンツを企画・制作しましょう。
- 具体的な解決策や行動指針を提示する
- 専門用語を避けるまたは説明を補足することで、わかりやすい言葉で説明する
- 実例や事例を交える
- 視覚的要素(画像、図表、動画など)を活用する
例えば「オウンドメディアのコンテンツ制作」というテーマでコンテンツを作る場合、単なる一般論だけではなく、ユーザーが実践する上で役立つ具体的なテクニックや自社の事例・ノウハウを伝えるなどのコンテンツが効果的です。
PDCAサイクルを回して継続的に改善する
KPIの達成には継続的な改善活動が不可欠。そのためにPDCAサイクルを回しましょう。
KPIをモニタリングする
設定したKPIを定期的にチェックし、KPI達成状況を把握します。効果的なモニタリングのポイントは以下の通り。
- 適切な頻度でデータを確認する(日次、週次、月次など)
- ダッシュボードを作成し、視覚的に分かりやすく表示する
- 複数のKPIを組み合わせて、総合的に状況を判断する
- 異常値や急激な変化があった場合は、すぐに原因を調査して対策する
例えば弊社ではLooker Studioを活用したダッシュボードに自社サイトのGA4データをつなぎこみ、自社のWebサイトに関する最新のKPI数値をいつでも手軽に確認できる環境を構築しています。
こうすることで週次や月次で必要なKPI数値を確実にチェックし、KPIの達成状況を確認したり、対処が必要な状況の発生時に気づけたりと、現在の状況を常に把握できるようになっているのです。
KPIの設定だけでなく、効果測定もコンテンツマーケティングでは必須。
スピード感を持って改善施策を実行する
モニタリングの結果、KPI達成状況が芳しくない場合は速やかに改善施策を検討・実行します。改善のポイントは以下の通り。
- データに基づいた仮説から、問題点や改善ポイントを特定する
- チーム内でブレインストーミングをおこない、アイデアを出し合う
- 小規模なテストを実施し、改善効果を検証する
- 成功した施策は迅速に横展開する
例えば、資料請求ページでのフォーム通過率(ダウンロード率)が低い場合、アクセス解析データやヒートマップデータなどを分析し、ユーザーが離脱する要因を検討し、仮説に基づいて改善策を検討・実行していきます。
PDCAサイクルを高速で回すことで、小さな改善を繰り返して成果を積み上げることが可能。どれだけ仮説を立てて実行し、検証できるかで将来的な成果が大きく変化します。
コンテンツマーケティングのKPIまとめ
本記事ではコンテンツマーケティングのKPIについて、KPIを設定するステップや設定例をご紹介しました。適切にKPIを設定し、定期的に振り返りながら改善を繰り返すことでコンテンツマーケティングの成果を上げていきましょう。
また、コンテンツマーケティングの中でも特に人気が高い施策の一つにオウンドメディアがありますが、弊社がオウンドメディア立ち上げ後にどのような施策で短期集客に成功したのかを紹介したノウハウ資料も参考にしてみてくださいね。
6ヶ月で365%成長達成!
クリエル式オウンドメディア運用術
Webサイトの王道集客施策であるオウンドメディア。
企業がオウンドメディアで集客できれば、オンラインにシフトしたセールス活動に大きく貢献し、売上アップに欠かせない施策になります。でも、多くの企業がオウンドメディアで失敗してきました。
そこで本書では少ないリソースで効率良く成果を上げるノウハウを、弊社事例も混じえて公開します。
▼本資料に掲載されている内容の一例は・・・
・運用開始から6ヶ月後の成果
・当社オウンドメディア運用体制について
・立ち上げから6ヶ月間の施策アウトライン
・Contents is King の実情
・弱者のキーワード選定術
オウンドメディア集客を成功させるためにもぜひ本書のノウハウをご活用ください。