SEOにおけるパンくずリストのメリットとは?設置する際のポイントも紹介
更新日:2024年10月11日
Webサイト内におけるユーザーの現在地を示す「パンくずリスト」。
実はこのパンくずリスト、ユーザーの利便性向上だけでなくSEO効果もあります。今回はSEOにおけるパンくずリストのメリットや設置時のポイントについて解説します。
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パンくずリストとは
まずは簡単にパンくずリストとは何かを確認しておきましょう。
パンくずリストとは、現在閲覧しているページがサイト内のどの位置に当たるかを表すリストのこと。簡単に言えば現在地表示のようなものです。
上の画像のパンくずリストは、ひと目で自分がいる階層がわかるようになっています。
ちなみに、童話「ヘンゼルとグレーテル」の中に出てくる「迷子にならないように通ってきた道にパンくずを置いた」というエピソードが名前の由来です。
パンくずリストの種類
パンくずリストには複数種類があります。一つずつ見ていきましょう。
位置型パンくずリスト
先ほど紹介したパンくずリストがこれです。サイトのどの階層に自分がいるのかを表示してくれます。
ページに辿り着いた経路にかかわらず、常に同じリストが表示されます。階層が多く、コラムやブログなど多くのコンテンツを有しているサイトにおすすめ。
位置型パンくずリストは3種類の中で最もメジャーで採用頻度が高い方式です。パンくずリストといえば基本的に位置型パンくずリストを指します。
属性型パンくずリスト
属性型パンくずリストは動的なパンくずリスト。位置型とは異なりユーザーの行動によって表示が変化するもので、現在閲覧しているページがどの属性に該当するかを示します。
上のように表示され、検索フィルターとしても機能します。
ECサイトでよく使われているパンくずリストですね。
パス型パンくずリスト
パス型パンくずリストも動的なパンくずリストです。このリストは他の2つとは異なり、閲覧者がどこにいるかを示すものではありません。
パスという名前の通り、ユーザーが移動してきた経路の履歴をリストとして表示します。このリストがなくてもブラウザの「戻る」ボタンで事足りるため、現在のWebサイトではあまり採用されていません。
パンくずリスト設置によるユーザビリティ向上の効果
パンくずリストを設置することで、Webサイトのユーザビリティが向上します。
ユーザビリティとは、Webサイトの使いやすさや満足度のこと。パンくずリストがユーザビリティに与える効果には以下のようなものがあります。
- 現在のページの位置や階層を把握しやすくなる
- サイト内の他のページに移動しやすくなる
- サイトの内容や構造を理解しやすくなる
- 迷子になりにくくなる
- サイトへの信頼感や親近感が高まる
パンくずリストはユーザーがWebサイトを快適に利用するために必要な情報を提供してくれます。
ユーザーがサイト内で迷わず目的のページにたどり着くことができれば、サイトの離脱率や直帰率の低下を抑制が可能。また、サイトの内容や構造を理解しやすくすることもユーザーの利便性向上になりますね。
このようなパンくずリストは、ユーザーのニーズに応えるだけでなく、SEOにもメリットがあります。パンくずリストがSEOに与える効果を次のパートから見ていきましょう。
SEOメリットもあるパンくずリスト
記事の冒頭でもお伝えしましたが、パンくずリストを設置することによってSEO効果があります。
パンくずリストの有無で検索順位が変動する、というような直接的な効果はなく、あくまで検索エンジンからの評価に寄与するという間接的なものですが、設置するに越したことはありません。
それでは、どのような点でメリットが生まれるのか解説していきましょう。
クローラビリティの向上
パンくずリストを設置することで、「クローラー」がサイト内を回遊しやすくなります。
クローラーとは、インターネット上に存在するWebサイトを巡回し、集めた情報をデータベースに登録するロボットのようなもの。何か検索を行った際には、そのデータベースから該当の情報が表示されるという仕組みです。
検索順位の上位化を狙うためには、まずクローラーにとってわかりやすい構造にする必要があります。パンくずリストがあることによってサイトの構造が明確化され、クローラーが内容を理解しやすくなるのです。
内部リンクとしての効果
パンくずリストは内部リンクとみなされ、内部リンクはSEO効果をもたらします。
内部リンクとは、サイト内の関連ページ同士をリンクでつなぐこと。外部からのリンクがSEO的に効果が高いことは有名ですが、実はこの内部リンクにも外部リンクと同様の効果があるのです。
検索画面での表示
パンくずリストは、サイト内だけでなく検索結果にも表示されることがあります。
サイトに入る前にどのようなカテゴリやページがあるのかわかるため、クリック率の向上につながる可能性があります。
また、せっかくサイトを訪れたのに内容が思っていたのと違ったためすぐに離脱した、というミスマッチも防ぐことができます。このようにクリック率が高まり、直帰率が下がることで検索エンジンに「質の良いサイト」だと評価され検索順位が上がりやすくなるのです。
パンくずリスト設置時のポイント
最後に、実際にパンくずリストを設置する際のポイントを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
キーワードを含める
パンくずリストのカテゴリにもキーワードを含めるようにしましょう。こうすることによって、クローラーに「このカテゴリにはこのキーワードに関連したページがありますよ」と伝えることができるのです。
クローラーが情報を認識しやすい構造にすることはSEO的に必須です。
全ページに設置する
パンくずリストを設置するデメリットはほぼ存在しません。SEO的にも基本的には全ページに設置しておいたほうがよいでしょう。
ただ、カテゴリの分類が難しいページや、お問合せや申込みのフォームなど、離脱を防ぎたいページには無理に設置する必要はありません。
ページの上部に表示させるのがベター
ほとんどのサイトでは、パンくずリストは画面上部に表示されています。よほどの理由がない限りは、ユーザーが見慣れている上部に設置したほうがよいでしょう。
ただし、スマホサイトの場合はパンくずリストがファーストビュー(ページを開いて最初に表示される部分)を占めると見づらくなってしまうことも。このように、サイトによってはページ下部に表示させたほうが良い場合もあります。
ディレクトリ構造ではなくリンク構造に
パンくずリストは「リンク構造」で作成するようにしましょう。ディレクトリ構造では階層をもとに表示され、リンク構造ではユーザーが辿る経路をもとに表示されるというイメージです。
服のECサイトで、以下のような商品詳細ページがあったとします。
https://www.example.jp/jacket1.html
これをディレクトリ構造でパンくずリスト化すると次のようになってしまいます。
TOP > ジャケット1
これではサイト内の経路がわからず、パンくずの役割を果たしていません。
TOP > メンズ > アウター > ジャケット1
上記のように現在地がわかりやすく辿った経路を戻りやすいように、リンク構造を意識したパンくずリストにすることをおすすめします。
パンくずリストの構造化データを実装するメリット
構造化データで「BreadcrumbList」と「ListItems」から成るパンくずリストの指定が可能です。
パンくずリストの構造化データを実装することで、ユーザーだけでなく検索エンジンロボットにもより正確なサイト構造を伝えることができます。
構造化データはパンくずリストに限らず、実装すればするほどWebサイトの情報を正しく伝えることができるため、実装にかかる工数や費用以外にデメリットはありません。ガイドラインに則り、適切に構造化データを実装していきましょう。
SEOに効果的なパンくずリストのまとめ
今回はSEOにおけるパンくずリストのメリットについて解説しました。
パンくずリストには、ユーザーの利便性向上だけでなく、間接的なSEO効果ももたらしてくれます。もしまだ自分のサイトにパンくずリストがないという場合は、ぜひ設置を検討してみてはいかがでしょうか。
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