ECサイトを構築する「ASP」とは?メリット・デメリット、選ぶポイントも紹介

更新日:2022年09月30日

比較的コストが安く、手軽に導入できるのが魅力の「ASPサービス」。
今回は、ASPサービスの概要から選び方のポイントまで、EC事業立上げ時に役立つ情報をお届けします。

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ASPサービスとは

ASPは、「Application Service Provider」の略です。簡単に言えば、ネットワークを通じてアプリケーションを提供するサービスのこと。

ECのみではなく、他の分野でも多数のASPサービスが存在します。例えば、勤怠管理システムや名刺管理ツールなどが代表的ではないでしょうか。

ECの場合は、カートシステムやサイトを構築するために必要な機能を備えたサービスのことです。アプリケーションをレンタルするようなイメージで、商品登録機能や会員管理機能など、様々な機能を利用することができます。

ASPサイト、ASPカート、ASPシステムといった呼ばれ方をすることも。

 

ASPでECサイトを構築する際に活用できるIT導入補助金については以下の記事で詳しくご案内中。これからECサイトの制作を検討中の場合は併せてご覧ください。

ASP以外のECシステム

ECサイトを構築する方法はASPのみではありません。他にも様々な手段があります。以下の3つが代表的でしょう。

  • オープンソース
  • パッケージ
  • フルスクラッチ

上に挙げた3つは、ASPより自由度が高い代わりに手間やコストがかかるという特徴があります。ただ、大規模なサイトや複雑な要件をもつサイトを作るならASPよりこちらのほうが適しているかもしれません。

ASPを利用するメリット

ここからは、ASPを利用してECサイトを構築するメリットとデメリットを紹介します。
まずはメリットから。

  1. 初期費用を抑えられる
  2. 導入までがスピーディー
  3. 運用の難易度が低い

初期費用を抑えられる

自社でカートシステムを開発する必要がないため、費用を抑えることができます。

ECサイトを0から作ろうとすると、数百万、場合によっては数千万かかることも珍しくありません。対してASPの場合は月額数千~数万円程度で利用できるため、他の方法と比べるとリーズナブルです。

また、初期費用無料のサービスもあり、導入のハードルは低いと言えるでしょう。ただし、デザイン等のカスタマイズなどを行う場合は、その分の費用がかかるため注意が必要です。

導入までがスピーディー

ASPの場合、クラウド上で提供されているサービスを使ってECサイトを構築します。そのため、自社でサーバーを用意したり、専用のソフトをインストールしたりといった事前準備が必要ありません。

また、利用申込みを行ってから、通常一週間待たずにアカウントが発行されるため、スピーディーに運営を開始することができます。

運用の難易度が低い

通常サイトを制作しようとすると、構築にHTMLやCSSなどの専門知識が必要となります。しかし、ASP最初から必要な機能が備わっているため、難しい作業は不要なのです。

商品登録や発注の処理なども直観的にわかりやすく設計されていることが多く、マニュアルも用意されていることがほとんどのため、操作方法に困ることも少ないでしょう。

ASPを利用するデメリット

続いてデメリットです。以下の点には注意しましょう。

  1. デザインに制限がある
  2. システムの拡張・カスタマイズがしづらい
  3. 外部サービスとの連携に制約がある

デザインに制限がある

ASPを使用したECサイトのデザインは、ほとんどの場合、ASP側で用意されたテンプレートの中から選ぶという形式です。

そのため、あまり販売する商品にマッチしたデザインにならないということも起こりえます。そういった事態を防ぐため、予めテンプレートデザインを確認しておきましょう。

また、予算に余裕がある場合はWeb制作会社にデザインを依頼するというのも手です。

システムの拡張・カスタマイズがしづらい

ASPでは、基本的にあらかじめ用意された機能しか使うことができません。後から機能を付け足したり、カスタマイズを行ったりすることは難しい場合がほとんどです。

そのため、フルスクラッチやオープンソースといったオーダーメイドのECサイトと比べると、自由度が低いというデメリットがあります。

外部サービスとの連携に制約がある

EC事業が成長してくると、顧客情報や在庫状況といったデータの管理やその分析などを、他のツールを使って行いたいという場面が出てくる可能性があります。ですが、一般的にASPには機能の制約が多く、そういった外部サービスの連携はしにくいのが事実。

また、ASPごとに連携対応しているサービスは異なります。導入前に、使いたい外部サービスとの連携に対応しているか必ず確認しておきましょう。

 

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ASPサービスの種類

現在では非常に多くのASPサービスが存在します。費用ごとにわけて紹介していきましょう。

無料で使えるASPサービス

  • BASE
  • STORES
  • イージーマイショップ
  • FC2カート

BASE

利用料金
初期費用 無料
月額費用 無料
決済手数料 3.6%+¥40 + サービス利用料 3%
その他 振込手数料
-250円
事務手数料
-500円(2万円以上の振込の場合無料)
特徴
  • 個人向けのASPサービス
  • クレジットカード決済の導入が手軽
  • 無料の拡張機能あり

STORES

利用料金
初期費用 無料
月額費用

フリープラン
-無料
スタンダードプラン
-1980円

決済手数料 フリープラン
-5%
スタンダードプラン
-3.6%
特徴
  • デザインテンプレートが豊富
  • 音楽や動画などのデータ販売も可能

イージーマイショップ

利用料金
初期費用 無料プラン
-無料
スタンダード
-3000円
プロフェッショナル
-3000円
カートプラン
-3000円
月額費用

無料プラン
-無料
スタンダード
-2700円
プロフェッショナル
-5400円
カートプラン
-1800円

特徴
  • 名入れなどのオーダーメイド注文に対応(無料プラン以外)
  • 既存サイトやFacebook・Instagramにカート機能を付与するカートプランあり

FC2カート

利用料金
初期費用 無料プラン
-無料
プロプラン1
-2500円
プロプラン2
-10000円
月額費用 無料プラン
-無料
プロプラン1
-750円
プロプラン2
-6600円
特徴
  • 運営はブログサービスで有名なFC2
  • 決済方法が豊富

月額1万円以下のASPサービス

  • MakeShop
  • カラーミーショップ
  • Shopify

MakeShop

利用料金
初期費用 プレミアム
-11000円
エンタープライズ
-110000円
月額費用 プレミアム
-11000円
エンタープライズ
-55000円
決済手数料 プレミアム
-3.19%~
エンタープライズ
-3.14%
特徴
  • 手数料が業界最安レベル
  • 専門知識なしでも集客施策が打てる機能が豊富

カラーミーショップ

利用料金
初期費用 フリー
-無料
レギュラー
-3300円
ラージ
-3300円
月額費用 フリー
-無料
レギュラー
-3300円
ラージ
-7945円
販売手数料 無料(全プラン共通)
特徴
  • 販売手数料が無料なので売上が大きくなってもコストを抑えられる
  • 受注管理や発送作業ができるスマホアプリがある

Shopify

利用料金
初期費用 無料(全プラン共通)
月額費用 ベーシック
-29米ドル
スタンダード
-79米ドル
プレミアム
-299米ドル
特徴
  • カナダ発のASPサービス
  • デザインや機能の自由度は比較的高い
  • Shopify ペイメント利用の場合、決済手数料が無料

月額1万円以上のASPサービス

  • ショップサーブ
  • futureshop

ショップサーブ

利用料金
初期費用 15000円(全プラン共通)
月額費用 パブリック
-11400円
ベーシック
-16500円
プライム
-22000円
プレミアム
-46800円
特徴
  • 月額料金をまとめて払う「年払い」も可能
  • 運営のEストアーが提供する運営代行サービスもあり

futureshop

利用料金
初期費用 スタンダード
-22000円
ゴールド
-52000円
月額費用 スタンダード
-22000円~
ゴールド
-81000円
特徴
  • パッケージ並みにデザインの自由度が高い
  • 外部サービスとの連携機能も豊富

ASPサービスを選ぶポイント

最後に、自社に合っているASPサービスを選ぶためのポイントを紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

  • 初期費用
  • 導入事例
  • 料金体系
  • オプション費用

初期費用

まずは初期費用です。先ほども紹介したように、初期費用無料のASPサービスも存在します。とりあえずECサイトを作ってみたい、個人で運営したいという場合はそういったサービスを利用することをおすすめします。

しかし、企業として大々的にECサイトを運営したいという場合や、将来的にEC事業を成長させていきたいという場合には、初期費用が有料でも機能が豊富なASPを選ぶほうが後々運営しやすいでしょう。

導入事例

ASPごとに得意とする分野は異なるもの。Btoc向けだったり、BtoB向けだったり、定期購入の機能があったりと様々です。

気になるASPを見つけたら、まずは実際の導入事例を調べてみて、どんなタイプのECサイトに利用されているのか確認しておきましょう。

料金体系

ASPの料金形態は、基本的に「初期費用+月額費用」です。

ですが、ASPによっては決済手数料がかかったり、その他のサービス利用料がかかるものもあります。特に、決済手数料は売上によって後々大きく響いてくる可能性がありますので、しっかり吟味しましょう。

オプション機能

ASPごとに様々なオプション機能が存在します。あらかじめ、どういうECサイトを作りたいのか、どういう機能があったら便利かを検討し、それに合ったオプションがあるASPを選ぶのもいいかもしれません。

まとめ

今回はASPサービスについて解説しました。オーダーメイドのECサイトに比べると自由度やカスタマイズ性ではやや劣るものの、手軽に導入できてコストも抑えられるという大きなメリットがあります。

非常に多くの種類が存在しますので、ECサイト構築の際には自社に合ったものがどれかじっくり考えてみてください。弊社でも売上に貢献するECサイトのご提案・制作を行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。